5 まっ、てくれ。 マジか……!! 俺の手はシノの誘導ということもあるけど、ずるっとニットのなかに潜った。 中はあったかくて、思わずぎょっとしてしまう。 「そうか、23かー……」 シノが、俺の手首、腕……と持つところがずれる度に、俺の手はニットの中へと潜っていく。 俺はシノの言葉にこくこくと頷きながら、手を必死に出そうとする。 けれどシノは、俺を見ながらニヤニヤと笑うだけ。 俺にその気は無い。 ましてや、シノと、なんて。 いくら綺麗な顔をしていたって、シノは男だぞ?! 「俺らの世代ってこと?高校生?」 「え?」 「もしかしなくても俺のファン?」 にぃっと悪い笑みを浮かべたシノが、俺に顔を近づける。 瞬間揺れた髪の毛から、ふんわりと男らしい匂いに合わさって甘い匂いがした。 何故か視界がグラっと揺れる。 そして次の瞬間…… |