4 仕事をしながら待っていたら、案外時間をかけずに隼也は俺の元にやってきた。 「もう終わったの?」 「え?あぁ、はい。ちょろいっすよ」 「ミスがあったらどうするんだよ。もっとゆっくりしろよ」 「えー?!早川さんが呼んだのに?!厳しい!!」 話している感じはいつもと変わらない。 これは呼ばない方が良かったか。 俺の思い過ごしか、なんて思いながら俺はパソコンの画面を見る。 「で、なんすか?仕事あるんすか?早川さんの仕事分けてもらえるとか?」 「……別に特に用事はない、けど」 「えー?!なんで呼んだんすかー!!」 俺の斜め後ろに立っている隼也。 今日は座る気配がない。 かといって、本来座るものでもないから、座らないのか?なんて聞けなくて俺はまた違和感を感じる。 「隼也、なんかあった?」 「え?なんで?」 キャラじゃないし、なんでこいつのそんなことを俺が気にしなきゃいけないのかわからなかったけど、思い切って聞いてみる。 すると、きょとんとする隼也が画面に写った。 「いや、」 「早川さんこそ何かあったんスか?」 「え?、別に」 「俺のこと気にする余裕があるなんて、なんか昨日いいことあったんすねぇ……さては昨晩あの好きな女優さんに……」 「隼也、お前なぁ」 何かあったのかと思ったが違ったらしい。 いつものようにニヤニヤしながら俺を見つめる姿に、あー、しまったと思う。 いつもの隼也だ。 振り返って睨めば、隼也はひらひらと手を振った。 「なんもないっすよ。じゃあ俺仕事探してくるっすね〜」 そしてその一言をいうと、俺の元からはすぐに離れてほかの同僚の元に行ってしまった。 ……? |