5 全身が熱を持って、熱くなってきたから、思わず布団を蹴った。 当たり前だけれど、こもった熱と共に特有のあの匂いが解放される。 「ん、ぁ、あ……っく、」 こういう時男の人は普通どうするんだろう。 女の人の体を思い浮かべるのかな。 あの、胸と、……下、と。 それとも、女の人の中に入って腰を動かしてるのを妄想するのかな。 どれも見たことがないからしっくりこなかった。 微かに参考になる資料がないとは言えないものの、それは全年齢対象の映画でたまに出てくる濡場程度のものだ。 母親の体すら覚えてない俺は、もどかしさに考えるのをやめようとした。 もう少しでイけそうなのに、イけない。 あともう少し、もう少しおっきい快感が欲しい。 ……女の人、あ。 そこまで考えて、俺は思い出した。 早川さんが風俗に行ってた。 早川さんはムラムラしたとき、自分でせずに風俗に行ってるんだろうか。 また、前に行ったみたいだし。 早川さんは、どんな風にムラムラして……どんな風に女の人を触るんだろう。 「っ……ふぅ、っく、は。」 今の俺みたいに、オナニーだってしたことあるんだろう。 どうやってするんだろう、仰向けになる? それとも横向き。 座ったり、とか? 触り方は? 俺とは、全然、違うのかな。 考えれば考えるほど、頭の中には早川さんが鮮明に映し出された。 スーツを着ている早川さんに、ほかのカジュアルな服を着せてみたり。 オナニーしてる妄想をしたら、手の中のそれがぐっとおっきくなった。 「あ、は……はやかわ、さん。」 |