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全身が熱を持って、熱くなってきたから、思わず布団を蹴った。

当たり前だけれど、こもった熱と共に特有のあの匂いが解放される。


「ん、ぁ、あ……っく、」


こういう時男の人は普通どうするんだろう。
女の人の体を思い浮かべるのかな。
あの、胸と、……下、と。
それとも、女の人の中に入って腰を動かしてるのを妄想するのかな。

どれも見たことがないからしっくりこなかった。
微かに参考になる資料がないとは言えないものの、それは全年齢対象の映画でたまに出てくる濡場程度のものだ。
母親の体すら覚えてない俺は、もどかしさに考えるのをやめようとした。

もう少しでイけそうなのに、イけない。
あともう少し、もう少しおっきい快感が欲しい。

……女の人、あ。

そこまで考えて、俺は思い出した。
早川さんが風俗に行ってた。

早川さんはムラムラしたとき、自分でせずに風俗に行ってるんだろうか。
また、前に行ったみたいだし。

早川さんは、どんな風にムラムラして……どんな風に女の人を触るんだろう。


「っ……ふぅ、っく、は。」


今の俺みたいに、オナニーだってしたことあるんだろう。

どうやってするんだろう、仰向けになる?
それとも横向き。
座ったり、とか?
触り方は?
俺とは、全然、違うのかな。

考えれば考えるほど、頭の中には早川さんが鮮明に映し出された。
スーツを着ている早川さんに、ほかのカジュアルな服を着せてみたり。
オナニーしてる妄想をしたら、手の中のそれがぐっとおっきくなった。


「あ、は……はやかわ、さん。」