4 恥ずかしくて、体を丸めて布団を被る。 匂いがこもっちゃうけど、仕方ないかな、なんて思いながらシーツに顔を擦りつけた。 セックス、したい。 そうだなぁ、してみたい。 セックスしてみたいと考えることはあったけど、俺は未だにしたことがない。 いわゆる童貞。 加えて彼女もできたことがない。 手をゆるゆると動かしながら、ぼうっと考える。 彼女ができる機会も、それこそ体を重ねる機会も最近までは全くなかった。 親が連れてきた女の子となら、付き合ってもいいと言われてたけど、付き合ったことがない。 それに反発して普通の女の子と付き合ってもよかったんだけど、俺はそれをしなかった。 なぜなら、そうしたいと思うことが無かったから。 俺は箱入りで育ったせいで、性的知識が乏しいと思う。 あんまり知らないと思う。 だから、セックスしたいという感覚を覚えたことも高校生の時までなかった。 高校生になってから、やっとセックスしたいなぁとかおもうようになって、でもかといって適当に誰でもいいやって手を出せるはずもなくて。 もしかしたら女の子に興味がないのかなぁ、なんて思い始めた。 「っ、あ……は」 グチュグチュと音を立て始めるそれ、先のほうを弄ってみたら、ぬるぬるしてる。 足りない、もっと、もっと気持ちいいの。 なんか初めてオナニーしたときみたいに、ふわふわになってすごく疲れるオナニーがしたいのに。 オナニーをしながら、可愛い女の子を妄想することもない。 ただ、気持ちよくなりたい、そう思いながら手を動かして、でも気持ちよくなれないから、もどかしくて「あぁあ……」なんて情けない声が出る。 |