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「好きですよ……」


志乃さんが社交辞令で言ってるのはわかる。
あー、それなのに俺はこんなに本気で喜んで。

ダメだ俺、いつの間に志乃さんのこと好きになってたんだ……。

いや、もう思い返せば最初からな気がするけど……。


「両想いじゃん、ちゅーする?」

「しませんけど……どうして志乃さんがそんなに嬉しそうなんですか」


満足気な志乃さん。
笑ってはないけど、嬉しそうなのがわかる。
あぁ、風俗っていうのは恋愛ごっこもするのかな……。
そんなんハマるに決まってるじゃん。


「んー、愛しのハルがもっと頻度上げて会いに来てくれねーかなーってさぁ」

「営業ですか?」

「ちっげーよ。デートのお誘い。いーだろ?好きな奴とエッチできてご飯も食えて?」

「そんなにご飯食べたいんですか」

「俺はハルと飯が食いたいだけー」


誰にでもしてんのかな、とか思ってしまう。
まぁきっとしてんだろうけど。
でも志乃さんといる時間なんて俺は買っても欲しいとか思うわけで。
ほかの人がしてるなら尚更。
ほかの人はしてて俺はしてないみたいなの嫌だとかいう独占欲を出してみる。


「何が食べたいんです?」

「え、うっそ、マジ?」

「マジです。」

「とりあえず餃子食いてぇ」

「それのちのち響きません?にんにく臭いですよ?」

「いいんじゃね?」

「いやだめでしょう。」