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むちゅ、と押し付けられた。

思わず目を見開いたら、目の前が廃れた金でいっぱいになる。

唇、柔らかい……。

そう思っていたら、


「ん、う……?!」


唇に何か冷たいものが当たった。
そしてそのままぐりぐりと舌を押し付けられる。
思わず唇を開いてしまえば……


「っ、んぁ……うっ」


何かが口の中にとろとろと流れてくる。
その液体が口の上を滑ったとき、分かる。

あ、これ……ウイスキー……だ。
さっきこの人が口に入れたやつ……。

結構な量があるようで、そのまま液体は俺の口の中に流れてくる。
顎をくいっと少し上に上げられれば、喉が開いてそのまま液体が喉を通っていく。


「っぷは!!っン、げ、ほ!!げほ!!ちょ、と!」

「いーぃ飲みっぷりだなァ??これもーらい」


やがて、口の中のものがなくなったのか、シノが口を離す。
口角から溢れて出ていった液体を拭って、思わずシノを睨めば、シノはまたニヤニヤしながら俺の薄まったハイボールを一気に胃に流し込んだ。