6 「は、志乃さん、ちょっと、強い」 「ん?」 「強い……」 熱くて、うん、かてぇ。 硬くなってる。 「ハル、俺慣らしてるから、早く。」 「え、あぁ、ほんとに?」 ハルのちんこから手を離して、そのままトランクスをずるっと下げた。 ほんとうに勃起する気配が無さそうなそれをみて、笑いそうになる。 やべえ、こいつはしゃぶられても勃起しそうにない。 どうやら物思いに耽りすぎたらしい。 「ほーんと。ハル、来いよ」 ハルがへにゃりと眉を下げて、俺を覗き込む。 大事にされる。 大事にされるってのはいいもんだ。 まだ必要ってことだから。 そうだ、今のハルにはきっと俺が要る。 「ハル、お前はさぁ俺にどうしてもらったら嬉しい?」 もっとお前の望む形になるよ俺は。 ほら、もっともっと盲目に俺を欲しがってくれ。 他なんて見ないでいい。 俺だけ俺だけ見てろ。 「はぁ……?どうしたんです?志乃さん。」 自分のスタイルを貫くだけじゃあ愛されない。 相手の望むように変えていかなきゃダメだ。 ありのままを愛してもらうなんて無理な話だ。 俺が好きなのは、ロックだ。 シャウトして、でっけーインパクト。 俺の歌を、声を、全てを刻みつけるように。 でもそれじゃあダメだ。 万人受けなんてしない。 興味を引いてそれで終わり。 みんなすぐに飽きる。 それじゃ、それじゃダメなんだよ。 なぁ、俺そんなもんじゃねぇ。 もっともっと聞いてくれ。 そんだけの価値じゃねぇんだよ。 なぁ。 「キスしようぜハル。」 |