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ズレてるのはわかってる。
ズレてしまってるのはわかってる。


「ほんとにあなたは煽るのが上手ですね」


そう言われて、思わず喉を鳴らした。
ゆっくりとハルが体を起こして、俺をゆっくりと抱きしめた。


「ここ、ベッドは無いんですか。体を痛めそう。」

「俺が下なんだから、別にいいだろ」

「志乃さんの体が痛そうなのが俺は嫌なんですよ」


そして、そのまま俺を押し倒す。
ゆっくり、ゆっくり背中に手を添えながら。
もっとがっつけばいいのに。
俺とお前の間にまだ距離がある感じがたまらなくいじらしい。


「そんなん気にしなくていーから」

「気にします。痛いの見るの嫌って前言ったでしょ」

「俺の痛さをこらえる顔もなかなかイイって聞くぜ?」

「……あのねぇ、ほかのお客さんの話はタブーでしょう、志乃さん。」

「ヤキモチか?」


妬け。妬け。
もっともっと俺に夢中になれ。
俺のことだけしか考えられなくなれ。


「めんどくさいからやめてとか言わないで。体重ねたらそれだけ想いも傾くんだから」

「はは、それって俺のこと好きってこと?うれしーねーハルちゃん」

「……ちゃんはやめてください。」


上に乗るハルのベルトを抜き取ってそのままズボンを脱がせる。
下着の中に手を突っ込んで触ったら、ちょっとヌルヌルしてた。


「志乃さんどうしたの」

「あ?」

「萎えてるから……やっぱ、背中痛いとか」


あ、俺萎えてたんだ。
とか思う。

なんか頭ぐるぐるしてきてわかんねぇ。
触られたら、シようとおもったら勃つはずなのにおかしいな。

熱い、ちんこ。
そのままにゅるにゅると上下に擦る。
俺の顔をのぞき込んできたハルに、ゆるく首を振った。