「あとは〜帰るだけ〜yeah! 今日の〜ご飯〜なんだろな〜wooぅわぁぁぁ!?」
「お疲れ様デス」
「ちょ、月島くん。居るなら居るって言って? もっと歌詞熟考したし」
「ヘンテコな歌聞かれたことはやり直したいことじゃないんですね」
「1番やり直したいことはあの可愛げのない驚きのリアクションかな」
「……じゃ、お疲れ様でしたみょうじ先輩」
「おいまて月島少年。先輩マネを置いて帰るな」
「えぇ? 一緒に帰るんですか?」
「帰る方向一緒だし。普通そうでしょ。あれ? てか今日1人? やまぐっちー居たよね?」
「先生に呼び出されたんで。先に帰ってもらいました」
「なるほど。だからまだ居たんだ」
「みょうじ先輩はいつもこの時間まで居るんですか?」
「いつもではないけど。忘れ物ないか〜とか、明日の準備〜とかしてたら遅めにはなるね」
「意外とちゃんとしてるんですね」
「失礼だなあ」
「……ふっ」
「えっ何笑い? 怖」
「さっきの先輩の驚いた顔、写真撮っておけば良かった」
「思い出し笑いか。私で笑ってるのかこの野郎」
「でもお互い様ですよね」
「何が」
「先輩も前、僕のこと驚かせましたよね」
「もしかして教室に行った時のアレを言ってる?」
「あんな大声で呼ばなくても良かったくないですか」
「……ふふっ。あん時の月島くん、確かに驚いてたね。肩ビクゥッってなってた。ふふっ」
「当たり前デショ。急に入口から大声で呼ばれたら誰だって驚きます」
「ツッキー!! って。また今度呼んであげようか。今日のお返しに」
「お返しというより、仕返しですよね」
「お礼参りともいう」
「結構です。先ほど充分いただきました」
「いえいえ。ご遠慮なさらず」
「やられたらやり返されるって学習したらどうです?」
「エッ? 今日の待ち伏せ、もしかしてわざとですか?」