「おはよう〜今日も家まで迎えに来てくれてありがとう」
「おはよう。晴れて良かった」
「ほんとにね。お花見日和だ」
「な。ほい、乗って」
「はーい。お願いしま……ん?」
「ん?」
「大地、この髪の毛って……」
「……! ち、ちがっ! それはっ」
「ふふふっ。あれぇ〜? 大地さん〜??」
「違う! 浮気なんかじゃねぇ!」
「さ。車出していただけますか? 尋問ドライブと行こうじゃありませんか」
「ほんとに……っ! この前妹乗せたから、そん時ので……! まじだから……!」
「あははっ! 分かってる。知ってるから大丈夫」
「……ほんとだからな? 俺、家族となまえ以外の女の人車に乗せねぇから。乗せたとしてもちゃんとなまえに言うし」
「大丈夫だよ、疑ってない」
「良かった……焦ったぁ……」
「髪の毛摘んだ時の大地の顔、まじで面白かった」
「毛髪鑑定するとこまで考えた」
「そこまで?? そんなことしてまで無実証明しなくて良いのに」
「だって無理だろ。結婚するならなまえしか考えらんねぇのに。そんな相手に変な誤解されんのとか」
「…………」
「なまえ?」
「けっこん……」
「血痕? けっこん……あっ! お、俺今、結婚のこと言った? い、言ったな? 言った……うん。……うん」
「今度、改めて。待ってます、プロポーズ」
「……はい」