生駒隊茶番噺・2

「お疲れさんでーす。おっなまえさんや」
「隠岐くんお邪魔してますぅ」
「いえいえ。ゆっくりしてってや〜」
「なぁ、さっきの話、結局イコさん1人好感度持っていってへん?」
「さっきの話?」
「さっきね、“水上ってスパイとして潜入するけど、最終的にこっちに寝返る役似合うよね”って話してたんだ」
「へ〜。確かに、似合うかも。最後はイコさんのこと庇って死ぬ役」
「そうそう! 似合うよね。死ぬ役」
「おい、死ぬ役言うのやめぇ。縁起でもない」
「なぁなぁ、なまえさん。おれの場合やとどうなる思います?」
「え、隠岐くんの場合? んーそうだな、隠岐くんの場合は途中で良心の呵責に耐えられなくなって、涙ながらに自白しそう」
「うーん確かに。みんなのこと騙して一緒に行動するんは耐えられへんかも。おれ水上先輩とちゃうし」
「おい隠岐。急に俺のことディスるやなんて。ええ度胸しとるやないか」
「あれ? ディスってました? こら失敬」
「なんかでもさ、こういう時でもイコさんが“ そんなん初めて会った時から気付いてたで”って言いそうだよね」
「確かに。イコさん言いそう」
「……あかん。これ最終的にイコさんの好感度だけが上がっていくやつや」
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