相棒たる眼

 俺の相棒――杉元さんからそう言われるのは、物凄いことだと思う。あの人から全幅の信頼を寄せられているその子は、まだ年端のいかぬ女の子。だというのに、自身の生まれに誇りを持ち、強い意志をその綺麗な瞳に宿している。私はその気高い瞳を見る度、吸い込まれそうな感覚を覚えつつ、杉元さんの相棒たり得る人物なのだと痛感もする。

「良いなぁ」
「何がだ? なまえ」
「……アシリパちゃんの眼、綺麗だなぁって」
「そうか?」

 とはいえ、私の言葉を照れ臭そうに受け取り笑う表情は、まだ少しあどけない。その言葉の裏に隠された羨望には気付かない辺りに、年相応の部分を感じて、私はそれにさえ羨ましいと思ってしまうのだ。……こんなことばかり考えてしまうから、私の眼はアシリパちゃんのような輝きを持てないんだろうな。

「……ふぅ。ほろ苦くてスウィートだぜ」
「うるさい白石。白石うるさい」
「……えぇ? なまえちゃんの気持ちに同調したのに?」
BACK
- ナノ -