「おっ、うかぴ来てたんだ〜お疲れ〜」
「おう。つーか“うかぴ”呼びヤメロ」
「え、でも烏野ギャルからはそう呼ばれてんでしょ? 良いじゃん、うかぴ」
「俺の顔面を見ろ。“うかぴ”ってキャラじゃねぇだろ」
「てかうかぴってマジで子供寝かしつけんの神だよね」
「それな」
「甥っ子寝かせるの、この子のパパの次に早いよね」
「お前の姉ちゃんより早ぇ自信ある」
「てか姉ちゃんは? こっち来てんだよね?」
「おう。お前の母ちゃんと一緒に買い物行ってる。30分くらいで戻って来るとは言ってたぞ」
「まじ? ありがと、ごめんね」
「俺は良いけどさ。家預けられんのも、子供の面倒頼まれんのも」
「まぁ繋心はみょうじ家の家族みたいなもんだから」
「へーへー。つうかうかぴ呼びもうやめんのかよ」
「飽きた」
「人の渾名に飽きんな」
「あ、起きた。おはよう、うかぴおじたんに抱っこしてもらってたね〜。よく眠れましたか〜?」
「ん、なんかぐずってんな」
「ミルクかな?」
「いや、多分……あぁ。ちょいオムツ替えるわ」
「はぁい。手伝うね」
「さんきゅ」
「……繋心さぁ、まじで良いパパだよね。ポテンシャルやばい」
「これでも結構いろんな子供の相手してっからな」
「親戚の子供のオムツは全員替えてんじゃない? オムツの父」
「嬉しくねーなその勲章」
「オムツ神」
「“オムツしん”? んだそりゃ」
「さて、繋心は一体いつ本当のパパになることやら」
「その前に恋愛だろ」
「え? 恋すんの? うかぴが?」
「俺にも恋愛させてくれ」
「その相手が居ないからあんだけ見合い話持ってかれんでしょ」
「それはそうだけど。よし、終わり」
「ん、ありがと。わぁ、めっちゃ笑顔。超カワイイ」
「ったく。赤ん坊のが分かりやすいよな、ほんと」
「どゆこと?」
「見合い断ってる時点で俺も結構分かり易いつもりではいるけどな」
「何、何が?」
「結婚もしてぇし、恋愛もそりゃしてぇさ」
「すれば?」
「して良いのか?」
「え、うん。そんなの繋心の自由だよ」
「今の質問は、“なまえに”したんだぞ」
「……はい?」