主愛

 顕現された男士は、私の姿を捉えるなりあからさまに顔を顰めた。それも一瞬のことで、すぐさま「へし切長谷部と言います」と真顔で名乗ってみせたけれど、声色までは繕えていないように思えた。

「何かこざいましたら、なんなりとお申し付けください」
「これからよろしくお願いします。へし切長谷部さん」
「……はい」

 恭しく頭を下げ、部屋から出て行くへし切長谷部さんを見送り、隣に立っていた加州と顔を合わせる。加州がやれやれと溜息と共に肩を竦めるのを見る限り、私と加州の意見は一致しているようだ。その気持ちを口にせずとも苦笑で分かち合い、「何かあったらサポート頼みます」という言葉に留めて自分の仕事に戻ることにした。

 加州とは審神者になった時からずっと一緒に居るけれど、初見でここまでの反応を見せるのは中々珍しい。……どうやら私たちの本丸に顕現されたへし切長谷部さんは、中々の曲者らしい。他の本丸に居るへし切長谷部さんは、もっと忠誠的な男士だった気がする。まぁ、例え他とは違ったとしても、ウチに来てくれたへし切長谷部さんだってへし切長谷部さんだ。だったら、ウチに居るへし切長谷部さんに認めてもらえるよう努力するのが、この本丸の主である私の務めだ。



 加州が「ねぇちょっと〜」と口調を尖らせながら審神者部屋を訪ねて来たのは、へし切長谷部さんが顕現してから数日が経った時のことだった。今でこそ誰よりも経験を積み、1番頼りにしている加州だけれど、何かある度に今みたいに甘えたような口調で審神者部屋を訪れるのは昔から変わらない。今回もどうせ安定と小競り合いでもしたのだろうと予測し、振り向きもせず「どうしたどうした」と軽く返せば、「あの打刀、どうにかしてよ」と加州がもう1段階声色を上げてみせた。

「何、また安定と喧嘩でもしたの?」
「安定ぁ? 違う違う、こないだ顕現した打刀だよ」
「あぁ。へし切長谷部さん? なんかあったの?」

 へし切長谷部さんは、私の知る限りでは特になんの支障もきたしていない。彼は今日も問題なく遠征に行ってくれているはず……とはいえ、顕現したての時の様子も確かに引っかかる。あの時のことは私たちの思い過ごしだったのだろうと思っていたけれど。一体どうしたのかと仕事の手を止め加州に向き合うと、加州は自身の爪を眺めつつ唇を尖らせていた。あれ、これは結構キてるな。

「俺、こないだ初めて長谷部と遠征に行ったんだけどさ」
「隊長やってくれてた三日月さんと交代だったよね?」
「そーそー。そん時俺びっくりしちゃって」
「びっくり? なんで?」
「全然こっちの指示聞かないの」
「えぇ? 嘘、あのへし切長谷部さんだよね?」
「俺も他の本丸の長谷部見てたから驚いちゃってさ。ずっとこうなのかって三日月に訊いたら“そうだったかもしれんな”だって。ヤバくない?」
「ヤバいね……三日月さんもヤバいけど」
「まぁ、それはそうね」

 ウチでは顕現したての男士は、練度の高い男士が隊長の部隊に組み込んで、しばらくは遠征で経験を積んでもらうことにしている。その説明をした時も、実際に遠征に送り出す時も彼は特に何も言いはしなかった。それなのに、蓋を開けてみればそんな有様が続いていたのだという。
 報告を受けたからには、主としてその現状を見過ごすわけにはいかない。例え遠征であっても、輪を乱すような男士はいざという時に信用出来ないというもの。これは1度へし切長谷部さんと話し合う必要がありそうだ。

「へし切長谷部さんとは私が1度折りを見て話してみる」
「……ごめんね主。仕事増やすようなことしちゃって」
「これも私の大事な仕事だから。逆に教えてくれてありがとう。加州は本当に頼りになるね」
「へへっ。まーね」
「とりあえず、まずはじじい様呼んで来てくれる?」
「……分かった。だけど三日月に怒っても無駄だと思うよ〜?」
「だよね。分かってるけど、これも審神者の仕事だから」
「ははっ。主も大変だ」
「ほんと、大変尽くしだわ」

 そう言って笑い合うけれど、この大変さを決して投げ出したいとは思わない。だからこそ、今目の前に浮上している問題ときちんと向き合わねば。



「すみません、へし切長谷部さん。荷物、たくさん持ってもらっちゃって」
「……いえ。これが俺の務めですから。必要とあらば幾らでも」
「いやいや。さすがに全部を持ってもらうわけには」
「……かしこまりました」

 加州と話をした後、三日月さんを呼んで叱ってやろうとしたのに、のらりくらりと躱され、結局茶を飲みながら「まぁ主よ。事はそう急くものでもない」と呑気な言葉まで贈られてしまった。ただ、その言葉を聞いて、三日月さんが本当に放任していたわけではないことは分かったので、叱るのは止めにした。
 とはいってもいつまでもそのままにしておくわけにもいかず、ひとまずは遠征部隊から外し近侍として私の傍に居てもらうことにした。そのことをへし切長谷部さんに告げると、この時だけは少しだけ眉根を寄せ、数秒の間を置いてから了承の意を返された。

「この買い出しが終わったら、書類整理も手伝ってもらえますか?」
「主命とあらば」

 主命、俺の務め――。他の本丸に居るへし切長谷部さんもよく言っている言葉。ただ、今私の隣を歩いている男士の言う言葉にはどうも剣呑さが含まれているような気がしてならない。とはいえ行動にはなんの問題もないので、こちらとしても中々違和感の正体を掴むことが出来ないでいる。……ならば。

「あの、へし切長谷部さん」
「……はい」
「遠征先での話、加州から聞きました」
「そうですか」
「どうして隊長の指示に背くんですか?」
「……申し訳ございません」

 これだけは分かる。ウチに顕現されたへし切長谷部さんは、自分の言いたいことを口にせず押し留めている。思えば顕現された時からそうだった。私を見つめるなり顔を顰めたクセに、その表情を押し込め自分の気持ちを隠した。きっとあの時から今日に至るまで、へし切長谷部さんは言いたいことの半分も言えてないんじゃないか。――それは何故か。

「私に、不満がありますか?」
「そ、そのようなことは……!」
「あなたの主である私には、あなたに義を誓ってもらえるほど力がありませんか」
「主……そのようなことは決して……」

 ではどうして――そう口を開こうとした瞬間、左半身に衝撃が走りバランスを崩した。一体何事だと脳が疑問を浮かべ、左手に抱えていた財布がなくなっているのと、雑踏に紛れ込んでゆく男の姿を捉え、そこでようやくスリに遭ったと理解した頃には「貴様ァ! 俺の主になんという狼藉を!」とへし切長谷部さんが血相を変えて走り出していた。
 ほんの数十秒の間に起きた出来事にパニックになりながらも、慌ててへし切長谷部さんを追いかけ、裏通りまで走ると、へし切長谷部さんは既に盗人を捕らえていた。

「あ、りが……とう、ご、ざいます」

 ぜえはあと息を切らす私とは違い、呼吸の1つ乱しもしないまま盗人を冷たい眼差しで見下ろすへし切長谷部さん。その様子が少しおかしいと思ったのは、表情は冷たいのに目が血走っていたから。怒ってくれるのはありがたいけれど、どこかタガが外れたようにも見えて思わず「へし切長谷部さん……?」と声をかける。その声にまともな反応も見せず、盗人を見据えたまま「俺の主に仇をなすとは。どうやらその命、惜しくはないようだ」とゆっくりと抜刀してみせた。

「ヒィッ! すまん! 金なら返すから!」
「俺がどういう時に振るわれる刀か、貴様は知っているか?」

 刃先をゆっくりと首筋に押し当てるへし切長谷部さん。少しでも動けば皮膚を裂いてしまう状況に、盗人は唾も呑み込めずにいる。確かに盗みはいけないことだけれど、命まで奪われるような罪ではない。脅し半分だろうと思いたいけれど、へし切長谷部さんの雰囲気がそれに否を突き付けてくる。私まで呼吸をするのを忘れ固まっていると、へし切長谷部さんが「死ね」と低く暗い声で吐き捨てた。

「やめなさい!」
「…………主」

 刀剣男士にここまで強い口調で命令を下したのは初めてだ。なるべく対等で居たいという考えで、いつも何かを指示する時は必ず話し合いをしてきた。だけど今、へし切長谷部さんに向けたのはそういった過程を一切無視した一方的なもの。そうでもしないと命が危ないほどの緊急事態だったからだけど、こんなに強い言葉を使うのは初めてで、私の心臓がバクバクと震えているのが分かる。

「捕まえてくれたことは感謝します。だけど、命を奪えだなんて指示は出していません」
「……申し訳ございません」
「ひとまず、この人をしかるべき場所へ連れて行きましょう」
「……かしこまりました」

 ゆっくりと刀を鞘に納め、奪い返した財布を私に渡してくれるへし切長谷部さん。その瞳を見つめようと見上げてみても、彼の瞳がこちらを向くことはなく。結局、盗人を連行して一通りの手続きを行い、それが終わるまでの間、へし切長谷部さんとまともに会話することは叶わなかった。



「主、今お時間よろしいでしょうか」
「はい、どうぞ」

 スリのせいで今日の仕事はほとんど明日に持ち越すになったその日の夜。出来るだけの仕事は終わらせてしまおうと仕事を裁いていると、障子の向こうに影が落ち来訪者が名乗ってきた。その声に許可を出すとスッと開く障子。その向こうには、今日1日を共に過ごした男士の姿。こんな時間に改まってどうしたのだろう――その考えをすぐさま打ち消す。きっと、今日の昼間のことだ。あれから私とへし切長谷部さんの会話はうやむやになったままだった。ここも明日改めて話さないといけないと思っていた部分だったので、へし切長谷部さんの方から出向いてくれたのはちょっと意外だったけれど、ありがたいことだ。
 彼の性格上、私の仕事が終わるのを待っていたのだろう。手をつけていた書類をバレないように隠し「昼間の件、ですよね」と切り出す。

「お願いがございます」
「なんでしょう」
「俺を、刀解していただけませんか」
「……はい?」

 昼間の件ではなかったのか。何がどうなって“刀解”になるのか。予期せぬ願いに混乱を始める脳内。その脳内に、“事はそう急くものでもない”とゆったりとした言葉が響く。……きっと、へし切長谷部さんはこの言葉を出すまでに色々考えたはず。ならばその言葉を受けた私は、急いで返事をするべきではない。まずはゆっくりと話し合わねば。

「どうしてか、理由を訊いても良いですか?」
「俺は、不出来な男士です」
「私はへし切長谷部さんを不出来だと思ったことは1度もありませんよ。遠征先での行動だって、理由もまだ聞けていませんし」
「遠征に行けという命令は主によるもの。それなのに俺は、自分の気持ちを優先させてしまうような男士です」
「へし切長谷部さん。例え私の指示であっても、自分の考えは主張して良いんですよ。もし納得がいかないことがあったんだとしたら、教えてください」

 ふるふると首を横に振るへし切長谷部さん。けれど決して言葉を紡ぐことはしてくれない。これだと昼間の二の舞だ。彼が話し合おうとしてくれない限り、対話も叶わず命令という一方的な意思の押し付けをしてしまうことになる。私は、それを良いとは思えない。

「自分の考えを言ってください」
「…………お許しを」
「どうしてですか? 他の指示であれば文句1つ言わず従ってくれるのに」
「だから俺は不出来なのです。何も言わず刀解なさってください」
「だめです。理由も分からないまま刀解なんてしません」
「主! どうか……お願いです。これ以上、自己嫌悪に陥りたくはないのです」

 こんな風に顔を歪め、苦しそうに話す様子は初めて見る。その様子を見てじわりと私の中に悲しみが湧く。彼がここまで苦しんでいるのは、他でもない私のせいだ。やっぱり昼間言ったように、私に不満があるのだろうか。私なんかが主として現れてしまったから、だからへし切長谷部さんは顕現された時にあんな風に顔を顰めたのだろうか。

「申し訳ありません」
「あ、主っ! 頭をお上げください!」
「あなたをそこまで苦しませてしまっているのは、他でもない私ですよね」
「主……?」
「私に力がないから。だからへし切長谷部さんに辛い思いをさせてしまっているんだと思います」
「それは違います!」
「私のような者がへし切長谷部さんを顕現してしまったこと、本当に申し訳なく思います。……ですが「違う! 主が! ……主が、楽しそうだからっ」……え?」

 下げた頭を上げた先。先ほどの苦しそうな表情を浮かべたまま、今にも泣きだしそうな顔をしているへし切長谷部さんが居た。少し潤んだ瞳をじっと見つめると、その目はふっと逸らされ隠されてしまう。けれど1度開いた口は閉じることを忘れたかのように、「主が……」と言葉を吐き出し続ける。

「初めて主を見た時、隣に居る男士と親しそうにされていて、俺はとても不安になった」
「不安……?」
「ここに、俺の居場所は既にないのだと思ってしまった。……俺は、もう二度とあんな思いはしたくない」
「あんな思い……」

 へし切長谷部――彼がこの本丸に来てくれてからすぐ、元の主が誰なのかを調べた。そして、その後どういった流れで別の人の手に渡ったかも。資料でしか見てないけれど、彼の歴史はなんとなく知っている。だけど、ここまで苦しい想いを残しているとは、対面するまで分からなかった。私は、彼の歴史を知っている“つもり”でしかなかったのだ。

「今度こそ。誰よりも功績を重ねて主に“役に立つ刀だ”と認めていただきたかった」
「へし切長谷部さん……」
「けれどそれも思うようにはいかず、まともな評価もいただけないまま俺は主の傍仕えを任じられた」

 そういう捉え方になってしまっていただなんて。もっと早い段階できちんと話し合っていれば――そう思っても、もうどうしようもない。過ぎたことに焦ってしまうよりも、今時間をかけてへし切長谷部さんと向き合うしかないのだ。

「俺が使い物にならないから。だから主は俺を傍に置いて、利用価値があるかどうかを見極めようとなされているのだと思いました」
「決してそのようなつもりは、」
「それなのに俺は、主のお役に立てなかった」
「どうしてですか。へし切長谷部さんは盗人を捕らえてくれたじゃないですか」
「ですが俺は、命じられてもいないのにアイツを斬ろうとしました」
「それは確かに驚きましたけど……でも最後は刀を収めてくれました」

 主命でもないのに暴走するなど……と膝の上に乗せた拳をぎゅっと握りしめるへし切長谷部さん。その様子を見ていると、私も勘違いをしていたことに気が付いた。きっと、私たちは互いを思い過ぎているのだ。

「へし切長谷部さんは、私のこと嫌いですか?」
「俺などが主に好き嫌いを申せる立場では……」
「では嫌いということにして良いですか?」
「いえ……! そのような感情は決して!」

 私が悪い方に捉える時だけ、へし切長谷部さんは分かり易く動転する。その様子にふっと笑みが零れてしまうけれど、それを隠さずにいればへし切長谷部さんは再び困惑の表情を浮かべてみせる。三日月さんの言う通り、事は急がずとも良いのだ。

「どうやら私たちは、充分信頼関係を築けているようです」
「……は?」
「そりゃもちろん、始まりの頃から居る加州や三日月さん程とは言えないですけど。それでも、ちゃんと私とへし切長谷部さんの間にも信頼関係は出来てますよ」
「俺のような者がどうして……」

 心の底から理解が出来ないといった様子のへし切長谷部さん。彼はきっと、他の本丸に顕現されたへし切長谷部さんよりも心配性なのだろう。だったら、その心配性なへし切長谷部さんを安心させるのが私の役目。その為にはやっぱり、話し合いが必要なのだ。

「へし切長谷部さんがどんな刀であれ、この本丸に顕現された以上、私は家族のように接したいです」
「家族……俺など……、」
「恐れ多くはないです。それが私の望み――主命ですから」
「主命……ですか」
「はい。例え気が合わない男士が顕現されたとしても、そんなことを理由にして手放したり、本丸に放置したりはしません」

 それはへし切長谷部さんも同じ――そう告げると、へし切長谷部さんがゆっくりとこちらを向く。その瞳は未だ不安げに揺れているけれど、じっと見つめ合えばその奥に明るい感情が宿っているのがちゃんと分かる。……良かった。私の気持ちはちゃんとへし切長谷部さんに伝わっているようだ。

「逆に気を遣って自分を殺される方が嫌です」
「ですが……、」
「私の指示に疑問や不満を感じる時はちゃんと言ってください」
「主に進言するなど……そんな」
「この本丸ではそれが普通ですよ? そうやって話し合いを重ねてきたからこそ、加州とも親しくなれたんです」

 もし、初めて見た加州と私の姿を羨ましいと思ってくれたのならば。その関係性をへし切長谷部さんとも築くには、じっくりと話し合いを重ねていく他ないのだ。「へし切長谷部さん」ゆっくりと名を呼び、ぎゅっと握りしめられたままの手をそっと握る。

「どうか私に、あなたの考えや思いを教えてください」
「……良いのですか。そのようなことをしても」
「大丈夫です。そんなことで私はあなたを手放しません。今ここで誓います」
「ならば1つ、お願いを申し上げても良いでしょうか」
「なんなりと」

 そうして彼が口にした願いは「出来れば俺のことは“長谷部”と呼んでください」というもの。一体どういうことだと問えば、彼は少し頬を染めながら「やはり前の主の狼藉が由来というのは少し……」と自身の気持ちを伝えてくれた。

「分かりました。これからは長谷部さんとお呼びします」
「ありがとうございます」
「……ふふっ」
「どうされましたか?」

 掌に力がこもっていないことを確認してから手を離し、「刀解して欲しいという願いじゃなくて良かったなと思いまして」と笑いながら伝えると、長谷部さんも自身の口角を緩めてみせた。

「俺はずっと、この本丸が羨ましかった」
「えっ?」
「ココが俺の居場所になれば良い――ずっと、そう思っていました」
「……そうだったんですか」

 今までひた隠しにされていた長谷部さんの気持ち。それを素直に打ち明けてくれたことに嬉しさを感じていると、今度は私の手が長谷部さんの手によって握られた。その手は長谷部さんの口元にまで持って行かれ、そっと甲に唇を押し当てられる。

「はっ長谷部さん……?」
「この先、どんなことが起こったとしても、俺は決して主のお傍を離れません」
「は、はい」
「病める時も、健やかなる時も――どんな時も。この俺が、主をお支えいたします」
「ありがとう……ございます」

 自分の気持ちを包み隠さず伝えて欲しいと願い指示したのは私だけれども。今目の前で私を見つめている男士の瞳には、想像以上の気持ちが乗っかているような気がするのは、私の気のせいだろうか。

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