KAITOは差し出されたコードを受け取り、自らに接続する。
その、直後。
「……え……?」
KAITOが戸惑いの声を漏らした。
「カイト兄?」「KAITO殿?」
2人の呼びかけに反応を返せないようで、KAITOは前屈みになりその場にしゃがみ込む。徐々に彼の息が荒くなっていくのが2人にも分かった。
「だ、大丈夫!?調子悪くしちゃった!?」
レンが半泣きで叫ぶ。自分が原因かも知れないのだから、不安で仕方がないのだろう。
「KAITO殿、大丈夫でござるか?」
がくぽも心配そうに声をかけた。
「だ、い……じょう、ぶ」
そんな2人を安心させようとしたのか、KAITOが顔を上げて絞り出すように声を出す。
KAITOの顔を見て、2人は息を呑んだ。
彼の顔は、なんだかすごく色っぽかった。
頬は微かに赤く染まり、蒼い瞳は熱っぽく潤んでいる。薄く開いた紅い唇からは断続的に吐息が漏れていた。
「――拙者を誘っているでござるか?」
「ちょ、がくぽ!?」
調子が悪い所為かもしれないのに、変なことを言い出すがくぽにレンが慌てる。
「っ……ち、違う……よ」
「……ふむ?」
ウィルスかなにかかなー?とかレンは言い、なにやら再び作業を始めた。
するとがくぽは、KAITOの細い顎を掴んで上を向かせる。そして囁いた。
「KAITO殿」
「な……に……?」
がくぽはニヤリと薄く笑い、自らの唇をKAITOのそれに触れさせた。
「――!」
KAITOが息を呑む気配。気にせずがくぽは舌を差し入れた。
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