愛しているよ3


KAITOは差し出されたコードを受け取り、自らに接続する。

その、直後。

「……え……?」

KAITOが戸惑いの声を漏らした。

「カイト兄?」「KAITO殿?」

2人の呼びかけに反応を返せないようで、KAITOは前屈みになりその場にしゃがみ込む。徐々に彼の息が荒くなっていくのが2人にも分かった。

「だ、大丈夫!?調子悪くしちゃった!?」

レンが半泣きで叫ぶ。自分が原因かも知れないのだから、不安で仕方がないのだろう。

「KAITO殿、大丈夫でござるか?」

がくぽも心配そうに声をかけた。

「だ、い……じょう、ぶ」

そんな2人を安心させようとしたのか、KAITOが顔を上げて絞り出すように声を出す。

KAITOの顔を見て、2人は息を呑んだ。

彼の顔は、なんだかすごく色っぽかった。

頬は微かに赤く染まり、蒼い瞳は熱っぽく潤んでいる。薄く開いた紅い唇からは断続的に吐息が漏れていた。

「――拙者を誘っているでござるか?」

「ちょ、がくぽ!?」

調子が悪い所為かもしれないのに、変なことを言い出すがくぽにレンが慌てる。

「っ……ち、違う……よ」

「……ふむ?」

ウィルスかなにかかなー?とかレンは言い、なにやら再び作業を始めた。

するとがくぽは、KAITOの細い顎を掴んで上を向かせる。そして囁いた。

「KAITO殿」

「な……に……?」

がくぽはニヤリと薄く笑い、自らの唇をKAITOのそれに触れさせた。

「――!」

KAITOが息を呑む気配。気にせずがくぽは舌を差し入れた。





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