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嫌な予感が、した。

いつも通り、退屈な午後の授業を聞き流して、適当に部活をこなして、家に帰って。中2の妹のリンの絡みを振り切って自室に入った。

いつも通り。

新着メールはなし。それだって大して珍しいことではない。KAITOだって忙しいのは分かってる。そもそも男同士で意味もなくメールなんかしないのだから。

なのに、妙に胸がざわつく。

【元気?なんか、嫌な予感がするんだ】

そんなメールを過去最高速で送信してみる。これで何事もなかったら恥ずかしいよな……。

飯食って、風呂入って、また自室に帰ってきても、返信は来ていなかった。仕事中かもしれないし、そうじゃなくても疲れて寝ているのかもしれない。そう考えても、高まる鼓動と冷や汗は止まらなかった。

時刻は12:30。明日(今日)は休みだし、KAITOもオフだから、俺はKAITOの家に行く予定になっている。

明日聞けばいいか。

無理矢理自分を納得させ、俺は眠りについた。





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