だけど、このままの関係じゃ満足できないのは分かっているんだ。
「……」
じっと携帯電話を見つめていると、メール受信を告げるメロディが鳴った。送り主は、レンくん。
【今日は楽しかった!またいつか、会える?】
そんな、誰にでも送れるような何気ないメールだったけれど。
レンくんも、僕と会いたいって思ってくれてるって考えたら……なんだか、たまらなく嬉しくなった。
【うん♪僕も楽しかったよ!また会いたいな……】
読み返して、少し恥ずかしくなって、小さく笑って――送信ボタンを押す。
不思議だよね。実際に会ったわけでも、直接言葉を交わしたわけでもないのに。
こんな、嬉しい気持ちになれるなんて――
それはきっと、メールが携帯にだけじゃなくて、心に届くから……なんだろう。
KAITOからメールが届いた。文面は、なんてことない普通のものだったけど――胸の奥から温かい気持ちが湧いてくる。
【俺も、また会いたい。いつなら会える?】
ひとつひとつ、伝えたい気持ちを言葉に変えて、ボタンを押していく。
傷つけないように、壊さないように。
今はまだ、友達でいいから。
笑いあっていられれば、それでいいから。
俺は、願いを込めて、送信ボタンを押した。
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