Broken you6


「じゃあ、あたしたち部屋に戻るねー」

「レン……そんなことしてると勘違いされるからやめなよ」

ミクとリンがそう言って、リビングから去ろうとする。リンの言った、「勘違い」というのは僕たちが恋人だと思われてしまうということだろうか。

勘違いじゃ、ないんだけどな……。

「ミク姉……リン!」

レンが、ミクとリンの背中に声をかける。2人は顔だけこちらに向けた。

するとレンは、顔を真っ赤にして、小さな声で告げた。

「勘違いじゃ……ないよ」

え?

レンは、僕のマフラーを軽く掴んで体を寄せてくる。そして――2人の前で、唇が触れ合った。

「っ……れ、レン……」

「……ごめんKAITO。KAITOは隠しときたかったんだよね」

ごめんね。そう言ってレンは目を伏せた。

「えっと……2人は付き合ってるってこと?だよね?」

ぽかーんとしているリンの頭を高速で撫でながら(?)、慌てた様子で問いかけるミク。

レンが反応しないので、僕はこくんと頷く。するとミクはリンのリボンを高速で捻りだした。……さっきから何してるんだろうか。

「う……そ」

リンが、絞り出すように呟いた。俯いていて表情が読めない。

「うそ、だ。そんなの」

「リンちゃん――」

「嘘だあッ!」

ミクの手を振り払って、リンは走り去ってしまった。





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