そして僕の、まだ四分の一も食べていないアイスは、全部2人の胃袋に収まってしまった。早い。
愕然としていると、目の前に黄色いアイスの乗ったスプーンかな差し出された。レンが仏頂面で「ん」と言う。
「――……!ありがとう、レン!」
悪いかな、とか恥ずかしいな、とかよりも先にまず、アイスを食べたい気持ちが溢れてしまい、なんの躊躇いもなくぱくっとくわえてしまった。
「ちょっと、見ました奥さん!」
「ええ、しかと見ましたわこの目でっ!」
ミクとリンがなにやら騒ぎ出した。その様子とレンの表情を認めて、僕はやっと自分のしでかしたことに気がついた。どんどん頬が熱くなってくる。
「あーんですよあーん!」
「なんでしょう新婚夫婦!?ねぇだ〜りーん、あ〜ん☆」
ミクがふざけて箸を持つ仕草をすると、リンは顔を(´□`)←こんな風にした。
レンは、なんか百合の花を咲かせている2人を放置して、顔を赤らめながら更にスプーンを差し出してくる。……やっぱり抗えない!
「か、KAITO……可愛い、すごく……」
レンが幸せそうに呟いた。そんなレンが可愛いです。
ぱくぱくとアイスを食べ続けていると、不意にミクとリンが謎の遊びをやめた。
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