その後、鯉伴は昌浩達を連れて奴良組へと向かっていた。
「着いたぜ、此処だ。」
そこには古い大きな屋敷があった。
「おっきい…」
《安倍家といい勝負っだな》
「そうかな?」
昌浩と物の怪がお互い感想を言い合っていると前を進んでいた鯉伴が振り返った。
「おーい、中に入るぞ!」
「《はい/おう!》」
「お〜い、今帰った!」
「ただいま!」
すると奥からマフラーを巻いている青年が出てきた。
「お帰りなさい、二代目、若」
「ただいま!くびなし!」
「首無、悪いg「二代目!その子供どうしたんですか?!まさか攫ってきたんじゃないでしょうね?!悪行といえど、子供を奴良組に連れてきてどうするんですか?!!」だから、こいつh「首無〜どうしたの?大声出して…あっ若、二代目、お帰りなさい。」…毛倡妓」
「ただいま!けじょうろう!おとうさん、さきになか、はいっているね!」
毛倡妓と呼ばれる女はリクオを見送った後、鯉伴たちの方へ向かって来た。
「首無も二代目に掴みかかってどうし……」
毛倡妓は足をピタリと止め、その視線は鯉伴に掴みかかっている首無、そしてその下で呆然としている昌浩たちに向けられる。昌浩を見た瞬間、ものすごい勢いで家に入り、
「みんな〜二代目が可愛い子供を連れて(さらって)きたわ〜」
と大声で言っていた。
「「「「「ええええ〜〜〜!!!」」」」」
そして中からたくさんの妖怪たちが現れた。
「二代目〜どうゆう事ですか?!」
「奴良組に連れてきてどうするんですか?」
「いったいどこの子なんですか?」
妖怪にもみくちゃにされる鯉伴。
「もっくん、俺達どうしたらいいと思う?」
《知らん、ほっとけばいいだろう》
この光景を見ていた昌浩はどうすればいいか迷っている。
ブチッ
とたん、何かがきれる音がした。
「おめぇら、いい加減にしろ!人の話をきけ〜〜!!!」
鯉伴が妖気を放ちながら怒鳴り、弱い妖怪は倒れ、周りはしーんとなった。
「おい、鯉伴どうした?なに妖気放出してんだ?」
家の中から声が聞こえ、人影が見えてくる。
「親父…」
姿がみえ、そこには頭がありえないほど長いお爺さんがいた。
「長ッ!」
《長いな…》
感想を言うが、長いとしか出てこない。
「とにかく家に上がりなさい。坊やもおいで。」
「はっはい」
お爺さんに呼ばれ、鯉伴の後ろに着いていく。
「お、おじゃましま〜す」
お爺さんに連れてこられたのは小部屋で、中には男の人と、小さなカラスがいた。
「さて、鯉伴、一体なにがあった?」
「それが…」
鯉伴は今までの事を話した。羽衣狐に襲われたこと、そこで昌浩に助けられたこと、昌浩は陰陽師だが自分たちを滅するつもりはないこと。
「羽衣狐か…その件は一端置いておこう。次に坊や、お前さんの事を教えてくれないかい?」
口調は優しく尋ねているがいやとは言わせない威圧感が出ている。
「えっと…言っちゃっていいのかな?」
《言ってもいいんじゃないか?今はその方がいいだろ。》
昌浩はそっかとつぶやくとお爺さんや鯉伴たちと向かい合った。
「実は俺……異世界から来ました。」
「「「「…………はい?」」」」
昌浩の言葉にみんなが目を点にする
《はぁ〜、それだけじゃわからんだろうが…》
「だ、だって、何から言えばいいか分からないんだもん!」
《仕方ないな。俺が話すけどいいか?》
「あっああ、頼む。」
《俺たちは…》
物の怪は昌浩の代わりに今までの事を説明する。
「つまり、こっちの世界での問題を神様の代わりにお前たちがどうにかする為に来たってことか?で、その問題に羽衣狐が関わっていると…」
《まぁ、そうゆうことだ。》
「しっかし大変だな〜。いくらある意味身内といえど世界が違うから関係ないのに…神様も思い切った事するな。」
「そうですね。普通ならこっちの世界で解決すべき事なのに…」
「あの、信じてくれるんですか?」
恐る恐る聞く昌浩にお爺さんたちはきょとんとする
「じゃあ嘘なのかい?」
「い、いいえ!全部ホントの事です!!」
「ならいいじゃねぇか」
「えっ!」
「それにな、目を見れば嘘言っているか言ってないかぐらい分かる。」
「ありがとうございます!」
ほっと安心している昌浩をみて、鯉伴があることを思いつく。
「なぁ、異世界から来たばっかてことは住む場所決まってねぇんだろ?」
「あっはい。」
「なら家(うち)に住めよ。部屋ならいっぱいあるし、助けてくれたお礼って事で」
「いいんですか?!」
「構わんよ。遠慮するでない。」
「《ありがとうごさいます/世話になる》」
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