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ツナside

天宮が京子ちゃんを連れて病室を出て行ったのを見届けるとリボーンがお兄さんに向き直った。

「笹川了平、お前、歯は何本抜かれたんだ?」
「え?リボーン、歯がどうしたんだよ」
「あぁ、俺は6本だ」
「6本か…」

そう呟くと何かを考えるように俯くリボーン。
外の様子を見るとどうやらお兄さんみたいに風紀委員以外も襲われてるみたいだし歯やら6本やらわけわかんねー。

「情報ありがとうだぞ。邪魔したな」

そう言うとリボーンはドアへと向かっていく。

「待てよリボーン!!あ、お兄さん。お大事に」
「おう!よく解からんがどういたしましてだ!!沢田もありがとな!」

言葉と一緒に持ち上げられた手には包帯が何重にも巻かれていて痛そうだったが元気そうでほんとによかった…






病室を出るとあちこちに並中生が居た。みんな友達や先輩が襲われたらしい。
いったいどうなってるんだと頭を抱えていたら急に風紀委員の人たちがざわつきだした。
どうやら雲雀さんの姿が見えないらしく一人で敵の元に乗り込んでいったらしい。

「よかったー!これで大丈夫だな!ほんと雲雀さん様様だよ!!」

これでこの意味の分からない事件も終わると安心しているとどこからかブチッと音が聞こえた。

「ん?なんだ今の音…ってえぇ!?レオンの尻尾が切れてる!?」
「まずいな。これが起こるってことは……不吉だ」

そんな不気味な予言いらないよ!!
てゆーかカメレオンって尻尾ちぎれるっけ?と思っているとレオンが次々に形を変えていく。

「おい、大丈夫なのかよ?レオン、いろんな形になってるぞ」
「尻尾が切れて記憶形状の制御ができなくなっているんだ」
「なんだそれ!?」

俺の中でレオンの謎が深まった瞬間だった。

「どきなさい!!」
「また並中生がやられた!!」

また周りがざわつく中、ガラガラと運ばれてきたのは風紀委員副委員長の草壁さんだった。

「草壁さんまで!?どうして…雲雀さんが親玉倒しに行ったはずじゃ…」

まさか…雲雀さんが…

「レオンを頼むぞ」
「うわっ」

急にレオンを俺に預け草壁さんの歯を確認するリボーン。抜かれた歯は5本らしく、お兄さんのに比べると一本減っていた。

「なるほどな」
「っどういうことだよリボーン!!まさか雲雀さんまで…!」
「喧嘩を売られてるのはツナ、お前だぞ」
「…え?」

俺が喧嘩を売られている…?じゃあ、犯人の狙いは、俺?
唐突に言われたその言葉を理解した瞬間目の前が真っ暗になった気がした。

「喧嘩売られてるって…どういうことだよ!?」
「これだ」

そう言ってリボーンが差し出したのはフゥ太のランキングが書かれた紙だった。

「“並盛中喧嘩強さランキング”…?」
「以前、フゥ太にもらったコピーだぞ」
「これがどうしたんだよ?」
「さっきやられた草壁は歯を5本抜かれていた…そして笹川了平は6本。その前の奴は7本だったらしい」
「7、6、5って…それ」
「カウントダウンだ」
「カウントダウン!?」

なんの…?ってまさか!!
「そのまさかだぞ。こいつはこのランキングの順位と一致してるんだ。それにフゥ太のランキングは沈黙の掟という物で一般人が手に入れられるようなものじゃねぇ。」
「え?てことは…」
「相手はマフィアか…裏の人間なのは間違いねぇな」

そのランキングをよく見ると持田先輩やお兄さん、草壁さんの名前もあった。…ってあれ?
「え、雲雀さんが一位じゃない!?」

並盛最強は誰だと聞かれたらもちろん雲雀さんだ。だから並中最強も雲雀さんのはず、なのに…

「“イル チェーロ”って誰だろ?外国人??」
「これは並中のランキングだ。学校にはそんな名前の生徒はいなかったからこれは偽名だろうな」
「いったい誰なんだろう…?」
「気になるのは分かるが4位のところを見てみろ」
「え…獄寺君!?」

獄寺君強っ!?じゃなくて、4位ってことはさっき襲われた草壁さんが5位だから…

「獄寺君が危ない!!」

早く獄寺君に知らせなくちゃとリボーンと一緒に駈け出した。
お願い、獄寺君!無事でいて…!!

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[mokuji]



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