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雲雀さんからの情報で慌てて病院にいくと了平さんは酷い怪我だった。

「お兄さん!大丈夫ですか!?」
「あぁ、お前達か。情けないがこのざまだ。心配かけたな」
「襲われたって聞いたんですけど具合は!?」
「骨を何本かやられてな…油断してたとはいえ恐ろしく強い男だった」
「犯人を見たのか?」
「あぁ、あの制服は隣町の黒曜中の物だ。お前たちも気を付けろよ」
「了平さん…」

ごめんなさい。俺は知ってたのに…今日だと思ってなかったなんて言い訳でしかない。朝のロードワークで会った時に忠告だけでもしておくんだったと今更ながら後悔する。

「しかし…くそっ!あのパンチは我が部に欲しかったァァァ!!!」
「「……え?」」
「俺が勝ったらボクシング部へ入部してくれるという約束だったのだが…あのパンチ!あの蹴り!!惜しいことをした!!」

ボクシングって蹴ってよかったっけ?
もう一度チャンスが欲しいものだ!!と悔しがってる了平さんを見て、あぁ、この人はこういう人だったと思い出した。沢田もぽかーんとしており、リボーンだけが何やら面白そうにその光景を眺めている。

「話は変わるが、京子には本当のことを言っておらんのだ。彼奴は心配性だからな。済まないが口裏を合わせておいてくれ」
「え?それって…」

「お兄ちゃん!!」

ガラッと音を立てて走り寄ってきたのは丁度話題になっていた京子ちゃんだった。
京子ちゃんも了平さんが怪我をしたと聞いたらしく真っ青な顔で了平さんを見つめている。

「お兄ちゃん!!どうして銭湯の煙突なんて登ったの!?」

前も思ったけどどんな作り話をしてるの!?
「お兄ちゃん、それほんとに捻挫なの?」
「あぁ」

無理ありすぎだろ!?明らか捻挫の域を越してるって!!
「捻挫で入院なんかするの?」
「酷い捻挫なんだ」

突き通すつもりだよこの人!?
俺にとっては二度目のやり取りだけどやっぱり突っ込んではいられない。

「でもよかった…生きてて…」
「京子ちゃん…」
「あ、ツナくんとソラくんたちもお見舞いに来てくれたの?ありがとう」
「ううん、どういたしまして。怪我をしたって聞いて心配で来てみたけど捻挫ですんでいてよかったよ」

沢田、そんな目で見るんじゃない。無理があるのは俺でも分かってるから!!
「空、京子を家まで送ってやれ。捻挫とはいえ、学校どころじゃねぇだろ。最近は物騒だしな」
「わかった。行こうか、京子ちゃん」
「うん…」

まだ不安そうな京子ちゃんの手を取って俺たちは病室を出た。

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