空と保育係


ふと机の中を見ると“校舎裏に集合だぞ。 byリボーン”と書かれた紙が入っていた。
…最近校舎裏への呼び出しが多い気がする…。
相手はリボーンという嫌な予感しかしないが行かなかったら後が怖い。
まだボンゴレに誘われたことはないからセーフな筈だと自分に言い聞かせ校舎裏へと向かった。



「くぴゃぁぁぁぁ!!!」

校舎裏へと近づくにつれて聞こえる聞き覚えのある鳴き声。
もしやと思い急いで向かうと沢田や隼人、山本やハルまでいた。

「あ、天宮!?どうしてここに!?」
「リボーンに呼ばれて…」
「リボーン!!天宮まで巻き込むなよ!!」
「彼奴はファミリーとしてじゃねーぞ。確かに好物件だが今はまだ誘わねぇ。今回は保育係の候補としてだぞ」
「今はって何!?今はって!!」

ホントだよ!!今はっていつか誘う気かよ!?死ぬ気で回避しよう

「えっと、とりあえず保育係って?」
「ツナの勉強の邪魔にならないように、このあほ牛の保育係を決めているんだぞ。」

今のところ全滅だけどな。と呟き泣き続けているランボをチラリと見る。
ハルが一生懸命泣き止ませようとしているが泣き止む様子がない。

「ランボ」
「うっ…ひっく…ソラァァァ!!!」
「あーよしよし」

俺の姿を見つけると泣き付いてくるランボをよしよしとあやす。涙と鼻水で服がぐちゃぐちゃになるがこの際仕方ないだろう。

「ほら、まずは鼻水ふけって。顔が酷いことになってるぞ?」

ポケットからティッシュを取り出すとチーンとかませる。
泣き止んでくるといつも常備してるブドウ飴を取り出した。

「よく泣き止んだな?偉いぞ、ランボ。ほら、ブドウ飴」
「ブドウ飴!!ありがとだもんね!!」

ニコニコとブドウ飴を口にするランボ。機嫌が直ったようで何よりだ。

「すごい…」
「はひ、ランボちゃんがアッというまに泣き止んでしまいました…あの人すごいです!!」
「ははっ、さすがソラだな」
「てことは空が10代目の右腕だと…!?」
「決まったな」

流れるような一連の動作をぽかんと眺めていたみんなはそれぞれの感想を口にしていた。

「…って、天宮、ランボと知り合いだったの!?」
「ソラはランボさんの部下なんだもんね!!」
「部下になった覚えはないぞ?…まぁ、いろいろあって慰めたら懐いたんだ。最近じゃ友達と一緒に良く家に遊びに来てるよ」
「そうだったんだ…全然知らなかった」

てっきり沢田たちにも話していると思っていたけど秘密にしていたらしい。もぐもぐとブドウ飴を食べているランボはもう一個ちょーだいと催促してきた。

「はい、これで最後な?」
「分かったもんね」

素直なランボを見て、ランボが言うこと聞いてる…!と沢田たちが呟いていた。

「んじゃあ、これでランボの保育係はソラで決まりだな」
「そんな!リボーンさん俺は納得いきません!!」
「別にいいんじゃね?」
「黙ってろ野球バカ!!」
「そうだよリボーン!!天宮に迷惑だろ!」
「はひー、ハルもランボちゃんのお世話したかったです…」

「と、言ってるがソラは構わねぇか?」

構わないかじゃないだろ!あとみんな言ってること違うし!!と心の中で突っ込むがぐっとこらえる。

「俺は別に一人増えたぐらい大丈夫だろうけど…なぁ、ランボ。」
「なにー?」
「俺の家に来るか、沢田の家にいるか。どっちがいい?」

ランボを瞳をまっすぐ見つめながら問いかける。確かにランボがきたら嬉しいし、母さんは反対しないだろう。
けど、こういうのはランボ自身に選ばせたかった。

「んーとね、ランボさんはツナの家がいい!!」

ママンと離ればなれは嫌だもんね!!と答えるランボ。そっか、と笑みを浮かべぽんぽんと頭を撫でるとリボーンに向き直る。

「ランボは沢田の家の方がいいって。だから保育係は断るな」
「そうか。分かったぞ」

こうしてランボの保育係は結局沢田になったが、俺は緊急時用の保育係に任命された。緊急時ってなんだよ。


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