telling


『もしもし、黒子です。

赤司君ですか? 夜分遅くにすみません。緑間君からいろいろ、聞きまして。
今、家にいるんですか。3年ぶりって、普段、お父様に連絡ぐらいはしてるんですよね?……よくないです。だから今回みたいに緊急入院なさるようなことになるのでは。

あ、すみません、切らないでください。
緑間君のことだから、皆の近況を君に言ってないだろうと思って、かけてみたんです。』



『青峰君と火神君はW大、紫原君はN大、黄瀬君と氷室君はA大で、皆バスケで推薦を取ったみたいです。
桃井さんは一般受験してK大商学部に、あの今吉さんと同じところです。
緑間君と高尾君は浪人ですね。緑間君はご存知の通りですが、高尾君は建築をやりたいとか言ってるそうです。

僕は……J大の史学科に行きます。バスケは多分、やりません。』



『君は、どうするんですか?
はあ、洛山ともなるとバスケ部に推薦が来るんですね。じゃあ無冠の3人と同じ大学ですか。

いや、緑間君から少し聞いたんですけど、彼、動転してて何言ってるかよくわからなくて。
でも、単に君と一緒にキャンパスライフを送りたかっただけか、自分もやっぱりバスケがしたかったか、ぐらいだと思うのであんまり気にしなくて大丈夫です。』



『確かに、緑間君が真っ先に相談してくるのが僕というのも不思議な話ですね。君のことは正直、よく分からないですけど。

今笑いましたね?
でも、本当にマキさんぐらいですから。君の相手ができるのは。京都に残していくのは、勿体無いと僕は思います。』



『君でも迷うことがあるんですね。
僕は、君をもっと完璧な人だと思っていました。多分、緑間君も、君のお父様も。
だから、ちゃんと話せば分かってもらえると思います。
では、この辺りで。


おやすみなさい』



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