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▼決戦前夜(鬼夏編)


人の気配がして後ろを振り返る

「やっぱり居たわね」
「まあな」
「きっと貴方は居るだろうと思って、来てみたのよ」

雷門が俺の隣に座ると、その髪がふわりと揺れた
月を見上げて呟く

「いよいよね」
「ああ…」
「ねえ」
「ん?」
「雷門に来て、良かった?」
「……ああ」
「帝国に戻りたいと、…思ってる?」
「……さあな」

雷門が不満そうな顔を俺に向ける

「だが…」
「…?」
「俺はお前の傍に居たい」
「…!」
「できるなら、ずっと」
「………うん」


雷門の手に自分の手を重ねると、雷門は俺を見詰めて泣きそうな顔で…微笑んだ


「明日は勝ってね」
「当たり前だ」
「ずっと貴方を見てるわ」
「……ああ」

俺はゴーグルを外して雷門を見詰めた

「ゴーグルを外した顔は…」
「うん?」
「見慣れないから、余り見ないで」
「…?」
「……照れてしまうの」
「…!…ふ、ははは」
「笑わないで」

雷門は顔を赤くして下を向く

「なあ…」
「えっ?」

顔を上げた雷門に俺は笑った

「……明日勝ったら」
「?」
「全世界の前で、俺は雷門夏未が好きだと言ってやろうか」
「なっ!駄目よ!」
「駄目か」
「当たり前でしょ!!」

雷門は真っ赤な顔でそっぽを向いて「信じられないわ!」とぶつぶつ言っている

しかし残念だな

それが一番

「手っ取り早いんだがな」
「何が?」
「いや、こっちの話」


お前の傍にずっと居る方法





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