二人とも嫁
今日も今日とてルドガーは借金返済の為に朝から走り回っていた。
普段から忙しい仲間たちも珍しく揃っていた事もあって、魔物討伐の依頼を中心にクエストを受ける事にして、数件の討伐依頼を受ける。
その途中で偶然にも遭遇したギガントモンスターを討伐をしたため中々いい具合にお金が溜まった。
グミやボトル、その他に必要なものを購入し、借金の返済のためにお金を振り込んだ頃には日が傾き、辺りが少し薄暗くなっていて宿に着くとさっそく部屋を取ろうと受付に向かう。
途中、レイアとエリーゼが今夜はガールズトークがしたいと言い出し、それならと4人部屋を1つと2人部屋2つ、1人部屋を1つ取った。
夕食に関してはエルがルドガーの作ったご飯が食べたいということで夕食はルドガーが作ることになった。
宿に着いてすぐに厨房を借りて夕食を作る。今日のメニューはマーボーカレーだ。
「ルドガー」
食材を適当な大きさに切っていると厨房へジュードが顔を覗かせた。
「ジュード?」
「1人で作るの大変でしょ?だから何か手伝おうと思って…良いかな?」
穏やかな表情で言うジュードに断る理由もない。
「勿論。助かるよ」
一言そえてジュードと共に食事を作りはじめた。
「ねぇルドガー、今日のご飯ジュードが手伝ってくれたんでしょ?」
エルの言葉に頷きどうかしたのか?とルドガーは首を傾げる。
当の本人であるジュードは研究に大事な書類を纏めるからと一足先に部屋に籠ってしまったためこの場には居ない。
ルドガーが後で珈琲でも差し入れに行こうかと考えている一方でエルは満面の笑みだ。
「いつも美味しいけど、今日はすっごい美味しかった!」
エルがルドガーの疑問に元気良く答えると、そんなエルにルドガーはお礼を言いながらその頭を表情を柔らかくして撫でた。
「う〜ん、今日の夕食も美味しかったね!」
「ああ!やはりジュードとルドガーの料理は旨いな」
「ふふ、そうねえ。いつ食べても本当に美味しいわ」
「二人とも良い旦那さんになりそうです!」
「旦那って言うより嫁じゃないか?」
エリーゼの言葉にアルヴィンがそう呟くと、ガイアスが頷く。
「確かに、二人共嫁と言うのが相応しいだろう」
「ほっほっほっ、ではジュードさんとルドガーさんは差し詰め誰の嫁になるんでしょうね」
そうローエンが朗らかに笑うが、とてつもない爆弾を落とした。
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