03.隠し上手は君のせい


俺は彼女に告げる

"好き"

という言葉を

自分の気持ちに気づいたあの時から彼女に伝え続けている

言葉は使い過ぎると意味が軽くなると言うけど

態度だけでは彼女には伝わらない

気づいて貰えない

たとえどんなに言葉を尽くして伝えようとも

彼女の心には一言も届かない

ならば言葉の意味が軽くなっても

"好き"

という言葉を伝え続けようと決めたのだ

時折、泣きたくなる時もある

彼女の前で泣きわめいて、気づいてくれない彼女を罵ってやりたくなる

それがどんなに身勝手な行為だとしても

俺が勝手に彼女を好きなったのだから、俺に彼女を気づいてくれないからと責める資格がないし

彼女にそんな自分を見せたくない

だって彼女の前ではいつも笑っている自分でいたい

笑って

伝えたいのだ

(好きだよ神楽)