誰よりも幸せを願って


最近のラクサスは変わってしまった。
勿論良い方に決まっている。
周りともコミュニケーションを取るようになった。
BOFT前のツンケンした態度も素敵だったが。

でも、今の素直に行動しているラクサスはイキイキとしているように見えて嬉しかった。


最初のうちは本気でこれで良かったと思えていた。
ナツ達とも自然に接して、前よりも楽しそうにしていたから。

それと共にラクサスが俺の前から離れて行ってしまったように感じた。(実際依存してたのは自分だけで、そう感じているだけかもしれないが)


正直寂しかった。
何故俺はここまでラクサスに依存してしまったのだろう。
だが、俺の私情だけでラクサスの平穏を壊してはならない。
それは何より俺が望んでいることだから。



賑やかなギルドの中を後にし、ギルドの裏へと足を向ける。
裏には広い海が広がっている。
そういえばこうやってゆっくり海を眺めたのは、初めてかもしれない。

青く深い海を見ていると、このまま溶けてしまえるのではないかと思った。
気を緩めると泣いてしまいそうになる。


「フリード、ここで何してんだ」


感傷に浸ってしまっていたらしく、気配を全く読み取れなかった。
でも何となく、誰が来たかは分かった気がした。
愛しくてやまない彼だ。


「どうかしたのか、ラクサス」

「別にただアイツらが煩いから出てきたんだよ」

「そうか」


沈黙が流れる。
だが俺はこの沈黙が嫌いではなかった。
ラクサスが隣にいるだけで、こんなにも胸が躍る。
しかしこの幸せもすぐに終わってしまうと思うと、泣き出しそうになった。


「ラクサス」

「何だ」

「好きだ」


受け入れられない感情だとは分かっている。
彼は優しい。
だから俺は彼の優しさにつけこむのだ。
拒絶しないと分かっているから。


「知ってる」


ラクサスは俺の方を見ずに言う。
胸がじわりとする。


「お前は、俺に付いて来てくれるんだろ?」


今度はしっかりと此方を向いて、微笑みながら伝えてきた。
俺も笑った。


「勿論だ、何処へでも尽き従うと誓おう」


例え地獄でもラクサスが居れば俺には充分なのだから。












報われないと知っていても、ただ側にいるのは罪ではないだろう?








後書き
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文ではフリラク初めてかも…
何か書いてる途中で、自分でも意味が分からなくなったので、あまり深読みしないように読んで下さい(^^;)

フリラクってより、フリ→ラクな感じかなぁ



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