隆昭『なんや、謙也も来たんか』

謙也「俺やって司君のこと知りたいねん。」

隆昭『そか…ほな、上がってや。昴は今日仁王君とこに遊び行ったから帰って来ないねん。安心しぃ』

白石「お邪魔しますわ。」



お昼ご飯を食べてからしばらくした時

珍しくオレしかいない家にインターホンが鳴り響く

「来たな」と食べとった棒アイスを無理やりすべて口に突っ込み玄関を開けるとそこには3人の中学生が立っている

2人は自分が呼んだのだから別になんとも思わなかったがもう1人の人物に少し驚いてしまった

その子はオレの通っていたテニススクールの後輩

どうやらユウジ君との会話を聞かれたらしい

まぁ、何人来ようが変わらないので別にいいのだが




隆昭『白石君は司のことどんくらい知っとるん?』

白石「仁王君からは、双子の兄でユウジにそっくりやって聞きましたわ」

一氏「双子!?」

謙也「でも、確かにユウジと昴もちょっと似とるなぁ」

隆昭『ん、正解。仁王君の言っとることは本当や。昴には双子の兄貴がおってな。めっちゃ仲良かったん。』




ふと、あの無邪気に笑いながらオレの後ろをちょこちょこついて来た2人が思い出された

あの頃はみんな幸せとしか言いようがないくらい楽しくて、平和だった

それが壊れてしまったのは1年半前

司がおらんくなってからや―。




謙也「タカ兄、何しとるん?」

隆昭『ん?ビデオ見せたろ思てな』

一氏「ビデオ?」

隆昭『せやで。お、ついた』




パッとテレビに映し出された2人の小さな子ども

それは丁度2年前のものだった

双子である2人は撮られていることにも気付かず仲良くスイカを食べとる





白石「この子ら…」

隆昭『右が昴や。』

謙也「じゃぁ、左は…」

一氏「つか…さ?」

隆昭『そう、司や』




ビデオの中でおいしそうにスイカを食べる2人

と、そこへ1人の女の子がやってくる




謙也「この子は?」

隆昭『楓や。昴の妹』

白石「この子が昴の妹か…!」




どうやら楓の存在はしっていたらしく白石君は感嘆の声を上げる

そんな中、ユウジ君は食い付くようにビデオの中の司を見ていた




一氏「(…ほんまに俺に似とる。でも、)」

隆昭『まぁ、双子言うても二卵生やったからちょっと違うんやけどな』

白石「でも、誰が見ても双子って丸わかりや」

隆昭「せやな。まぁ、そんなことはいいねん。一番に言わなあかんのは、」



こんなことじゃない。

もっと大事なことがある―。








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