どこまでも続く青い空

雲1つない晴天

そんな天気のいい休日

部活が休みだったオレ達は花見に来ている

来ている、と言ってもまだ集合場所にいるだけなのだが




白石「ユウジの奴遅いなぁ…」

謙也「ほんま何やっとんねんあいつ!」

小春「あ、メールや」

石田「なんやて?」

小春「寝坊したらしいわー」




何をやってるんだあいつは!と言いたいところだが分からなくもない

実際、オレも寝坊しかけて慌てて家を飛び出してきたのだ

普段から休日はいつまでたっても起きないのがオレだからな

まあ、今日は従姉の兄貴が起こしてくれたからなんとか間に合ったんだけど




昴『ところでよ、花見ってどこでやるんだ?』

白石「このへんにめっちゃ咲いてるとこあんねん」

謙也「出店も出てるで!」




なるほど、お祭り状態か


2人の答えに納得したところで突然、オレの携帯が鳴り響いた

あまりにも突然だったので驚いたがすぐに携帯を開きディスプレイに目をやった




昴『楓…!』

石田「?」




その場にいた白石達は首を傾げているようだ

誰?と聞きたそうな顔だ

そういえば言ってなかったな



昴『オレの、妹』




そう伝えてから急いで通話ボタンを押す

後ろで白石達の「妹!?」という驚いた声が聞こえたが今はそちらに耳を傾けるよりもこっちが優先だった




楓〈兄貴?〉

昴『おう、どうした突然』




平然を装った

どうした?なんて本当は聞く必要はない

なんでわざわざ電話をしてきたかなんて分かりきっていた

決まったんだ。日程が…




楓〈手術の日程…決まった〉




ほら、やっぱりそうだ

楓は今事情があって足が動かない

手術をして、リハビリをすれば昔のように歩けるらしい

その手術のために、両親は楓を連れてアメリカに飛んだ




昴『そ…うか。いつだ?』

楓〈来週の水曜…〉

昴『水曜か…そっか…大丈夫か?』

楓〈ん、大丈夫〉




大丈夫。そんなの嘘だ

本当は、怖いに決まってるじゃないか

こんな時に、傍にいてやれないオレは情けない兄貴だと思う




昴『…無理すんなよ?大丈夫、オレも、あいつも傍にいれねーけどちゃんと応援してっから、心配すんな』

楓〈うん…ありがと。じゃ、切るな〉

昴『おう、親父とおふくろにもよろしく言っといてくれ』




最後にもう一度、大丈夫と言い聞かせ通話を終えた

すると、それとほぼ同時に寝坊したユウジがやってきた

ようやく、全員揃ったようだ



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