昴『何やってんだオレ…』



朝起きたオレは部活に行く気になれなくて、叔母さんに具合が悪いと言って休んだ

ずる休みだ。

まぁ、テスト期間中に一度サボっているから今更気にすることもしないが。




昴『(…傷つけた、よなぁ)』




昨日のことを振り返れば振り返るほど、自分の弱さを実感して嫌になる



謙也を傷つけた。

白石に迷惑をかけた。

ユウジを、困らせた。




本当に、何をしているんだオレは。

こんなことをするために大阪に来たんじゃない。

オレはただ、




昴『ただ、居場所が欲しかった―。』




知らない土地でオレの居場所なんかなくて、

いや、違う。

我儘だ。単なるオレの、我儘―。




司がいなくなってしまった今、居場所と、傍にいてくれる人が欲しかったんだ

心の底から信頼できるような、友達が…。




昴『(こんなこと考えてるなんて、仁王が知ったら怒るかな)』




もちろん、仁王はオレの一番の親友だ。

でも、仁王とは一緒にいられなかった。

司との思い出が蘇ってしまうから―。

結局、オレは仁王まで傷つけていたのかもしれない。





昴『はっ…馬鹿だな。どれだけの人を巻き込んで傷つけてんだよ…』




もう、終わりにしよう。

自分で解決しなければいつまでもこのままだ。

また、たくさんの人を傷つけてしまう。

明日、部活に行って、白石達にすべてを話そう。



そして、




昴『(また、みんなで笑ってテニスをしよう…)』




オレは、あいつ等が大好きだから―。









22.彼等の決意
(俺、アホや!明日学校行って昴に謝らな…)
(なんで、こうなったん?もう、十分や。俺は、誰も傷ついてほしくないねん…!)


- 46 -


|
[Back]






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -