隆昭『司は、もうおらんねん』

白石「…どういう意味ですか?」

謙也「っ……」




医者の息子である謙也は察したらしく少し顔を伏せる

そう、おらんちゅーのはそういうことやねん

オレはポンッと謙也の頭に手をのせ小さい子をあやすかのように撫でる

ユウジ君と白石君は未だに首をかしげていた








隆昭『亡くなったんや。不慮の事故で…

一氏「っ…」

白石「…え?」

謙也「……」




しばしの沈黙

白石君とユウジ君は相当驚いているようだった

特に、ユウジ君はどこか放心状態になっている




一氏「じゃぁ、昴はっ」

隆昭「本当はな、ふっきれたつもりやったんや。一度は現実を受け止めたねん。でも、』

謙也「そこで、死んだはずの兄にそっくりなユウジと出会ってしまった―。」

隆昭『……。』




そう、一度は現実を受け止めた

覚悟を決めた

そのうえで四天宝寺に転校したんや。

それなのに、兄にそっくりなユウジ君に出会ってしまい、覚悟が緩いだんやろな

理解はしている

でも、受け止められない

何より、




隆昭『昴は、ずっと…自分を責め続けとるねん』

白石「自分を、責める?」

隆昭『どうして、あの時何もできなかったのかってな―。』


自分を責め続ける彼は、おびえる小さな子供のようだった―。






19.双子の彼等は、
(さぁ、オレが教えてあがられるのはここまでや。)
(え、)
(一番大事なことは昴自身から聞かな意味がないで?)
(……)



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