白石「あの、隆昭さん」

隆昭『タカ兄でええで。みんなそう呼ぶしなぁ』




昴に無理矢理着いてきてやってきた夏祭り

そこで出会ったこっちで結構有名な中学生テニスプレイヤー白石君達

噂はいろいろ聞いているが会うのは初めてやった

しかし、昴と同じ中学校、もとい四天宝寺に通っとるっちゅーことはオレの後輩なんやなとふと思う

そんな時やった

白石君が話しかけてきたのは、




白石「あの、」

隆昭『何か聞きたいことでもあるん?オレでよければ答えるで!』





何故かオドオドした様子の白石君の頭を撫でると決心でもついたのか再び「あの、」と口を開く

まさか、あんな言葉を聞くはめになるなんて思いもしなかった―。






白石「司君のこと、教えてもらえへんやろか…」

隆昭『…はい?』





"司"というワードが頭の中でグルグル渦を巻く

何故、白石君が司のことを知っとるんや?

昴が話した?

まさか。誰が死んでしまった双子の兄の話を友達にするのだろうか

だいたい、今の昴にそんなことができるとは思えなかった

ああ、そういえばあのバンダナ巻いてるユウジ君って司にそっくりやったなぁ




昴達と何やら楽しそうに話しているユウジ君を見てなんとなく、状況を飲み込んだ




隆昭『昴はまだ立ち直れてへんか…』

白石「…」





どうやら当たりらしい

白石君はどこか気まずそうに昴達の数歩後ろをオレと歩いた

この様子を見るに知っているのは白石君だけやろか?





隆昭『司のこと知りたいんやな?』

白石「…はい」





もう一度、念をおすかのように問いかける

すると、白石君は始め戸惑ったものの確実に頷いた

きっと、白石君なりに昴の力になってやりたいと思っているのだろう





隆昭『白石君、明日うちに来てや。ああ、ユウジ君も連れて来てくれへん?』



彼等との出逢いは彼にどんな影響を与えているのか、オレに分かる術はなかった―。






18.近づく真実
(自分等さっきから何をこそこそ話しとるん?)
(ん?なんでもないでー)
(嘘やってことぐらいすぐ分かるっちゅー話や)
(謙也って時々するどいわぁ)


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