謙也「…いし…しら、…白石!!」

白石「え、」




休み明けの月曜日

俺は謙也の声で我にかえった

気がつけば部活は終わったらしく1年生が忙しそうに片付けをしている

どうやらずっと上の空だったらしい



白石「あ、すまん。今行くわ」



慌てて謙也のもとに駆け寄りボールかごを持ち上げる

その時、ふと昴が目に入った




白石「…」



昴はいつも通りの笑顔で銀と話しながら散らばったボールを拾っとる




白石「(俺は、あの笑顔しか知らん…)」




謙也とユウジが言う昴なんか見たこともない

それどころかそんな様子を察したことすらないやろ





双子の兄だった司にそっくりなんじゃ





昨日の仁王君の言葉が頭の中に響く

双子の兄?

そんなん、何も聞いとらん

自分等で昴が話してくれるのを待つと言うときながらもショックやった

俺は、昴の口から聞きたかったんや




白石「そんなに、俺は頼りないんやろか…」




クラスも部活も一緒

いつも2人で行動しとった

一番、昴の近くに居る

それなのに、




白石「俺は、昴のことを何も分かってないんやな…。」

謙也「白石?さっきからずっと上の空やん。どうかしたん?」

白石「え、な、なんでもないで。ちょっと今日は調子悪かってん」

謙也「…(白石、自分はどうしたいん?)」


何気ない呟きが聞かれていたとも知らず

俺は、謙也に微笑んだ―。







16.絶頂の想い
(謙也、なんか白石元気なくね?)
(せやな…多分、)
(?)


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