仁王「昴、」

昴『…別に、オレはもう何とも思ってねーよ』



仁王が言いたいことなんてすぐに分かった

ユウジが部室に着替えに行ってから、気がついた

会わせたのは間違いだった、と



仁王「それにしても…そっくりじゃったの」

昴『でも、司とユウジは違う』

仁王「そうじゃの…」

昴『あいつは、もういないんだ。今更、』

仁王「昴」




オレの言葉を遮った仁王は、オレのすべてを知っている

そんな彼を見ることができなかった

見てしまえば最後、すべてを見透かされるような気がして…

いや、どうせもう見透かされてる

そんなのは分かってる




昴『いつまで大阪にいるんだ?』

仁王「明日まではいるぜよ」

昴『泊りがけかよ』

仁王「まーの。どうせ明日は珍しく部活休みだし」

昴『そか…司のとこは行ってきたのか?』

仁王「もちろんじゃ」




再び「そか…」と呟くと、仁王は立ちあがった

どうやら今日はもう帰るらしい

帰る、と言っても明日まではいるのだが




仁王「それじゃ、部活中に邪魔したぜよ」

昴『おう。まぁ、今度来る時はちゃんと連絡よこせよ!』

仁王「それは分からんのぅ」

昴『分かんねーのかよ!!!』




そんな他愛のない会話を終え、仁王は四天宝寺を後にした

その際、白石に何か一言言っていたが特には気にしなかった

どうせお邪魔しました的なことを言ってるんだろ

ああ見えて結構礼儀はある奴だから

しかし、どうやらオレの考えが甘かったようだ

それを知ることになるのはもう少し先の話―。







15.立海からの訪問者
(ちょっとお前さんに話があるんじゃが)
(俺?別にええけど…)



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