昴『…何やってんだオレ』




確実に白石達に心配かけた

このまえ、悩みがあるなら相談しろと言われたばかりだと言うのに

オレは相談なんてできなかった

いや、できなかったんじゃない。

しなかったんだ。





昴『……』




オレは黙って本を開き読んでいた続きのページを探し文字を追い始めた





























『なーそんなの読んで面白いのかよ』

『昴も読んでみたら?』

『えーオレ字読むの嫌い』

『兄ちゃんお馬鹿だもん』

『楓そこまで言うか!?』

『ははっ』

『兄ちゃん達双子なのにまったく違うよね』

『頭の出来だけね』

『おいコラ、今すっげー失礼なこと言っただろ!?』




























昴『双子…か。なんで、双子に生まれたんだろうな…。』




失ってから気づくとはよく言ったものだ

隣にいるのが当たり前だった

それが、当たり前じゃなくなったのが丁度1年前

…1年、そうか。もうそんなにたつのか




昴『…サボろう』



午後の授業はサボろう

そう決めたオレは本を閉じて立ち上がった

お昼休みが終わる前に教室に戻る

教室に入ると白石はいなかった

きっと、3組にいるのだろう

しかし、今は都合がいい

白石に見つかってしまえばサボることはできないだろう

だったら、白石が帰って来る前に行こう

オレは急いで必要なものを鞄につめ教室に背を向けた

帰り際、玄関近くで小春に出会い焦ったが腹痛で帰ると誤魔化して校門を後にした

向かうのは、司がいる場所―。









10.君がいない世界
(白石、昴腹痛で早退したみたいやで?)
(え、なんも聞いとらん…)



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