白石「昴、悩み事でもあるん?」

昴『は?』




部活も終わり部室で着替えていると、白石が心配した顔で話しかけてきた

それに気付いたのか、謙也達もオレの周りに集まる




謙也「部活中ずっと上の空やったで?」

石田「悩んでいるなら相談してくれてええんやで」

ユウジ「そーや!1人で抱えこんでも解決できんなら、自分等の力借りたらええねん!」

小春「昴が元気ないとこっちまでテンション下がってまうわ」




オレ、そんなに上の空だったのか…

白石達に心配をかけていたのだと知ると少し、悪かったなと思う




昴『なんか、すまん。悩みってわけじゃねーんだけどさ…今日、妹の手術だったから』

白石「妹の手術…?」

謙也「あ、そういえば花見の時に言うてたな!」

小春「そりゃ、心配にもなるもんなぁ」

石田「まだ連絡が来ないんか?」



銀の言葉に黙って頷く

携帯は相変わらず静かで、いつまでたっても鳴らなかった

時刻は6時半をすぎている





昴『…失敗とかしてねーよな。大丈夫だよな!?』

ユウジ「アホ!そんなこと考えるなやΣ」

謙也「大丈夫やって!」

白石「自分が信じないで誰が信じんねん!」

昴『…そうだな。サンキュー』




こんなに心配してくれて、慰めてくれる友達を持ったオレは幸せなんだな

なんだかんだで、大阪に来てよかったと思う




そう、ふと思った時だった




昴『っ!』




オレの携帯のディスプレイが光り、着メロが流れた

素早く携帯を開くとそこには「母さん」と書かれていた




昴『母さん!?」

母〈あ、昴〉

昴『楓の手術、どうなった?〉





オレが恐る恐る聞くと、沈黙が流れた

え、なにこれ

まさか…そんなことないよな?




オレの様子に気付いたのか、白石達も少し心配した様子で黙っている




昴『なんで、黙って…失敗したのか…?そんなこと、ねーよな?』

母〈……〉

昴『…母さん?なぁ、なぁってば!』




白石「昴、落ち着きぃ」




そんなこと言われてもよ…!

オレがそう白石に言おうとした時だった





母〈痛゙っΣ〉

楓〈母さん何黙ってんだよ!もう携帯かせ!!〉



昴『は?楓?』




母さんの悲鳴の次に聞こえてきた楓の声

それを聞いてオレはつい、呆けた声を出してしまった




楓〈あ、兄貴?手術成功したから〉

昴『……』

楓〈…兄貴?〉

ユウジ「昴、黙ってどうしたん?」

小春「まさか…!」





昴『ま、』

謙也「ま?」




昴『Σまぎわらしいことすんなーーー!!!』








09.運命の水曜日
(手術成功したって!!)
(よかったやないか!)



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