「小春ぅー!」 「ユウ君!」 目を疑った オレが入った教室には2人の男子がいた ただそれだけなら問題はない 問題なのはそいつらの距離 2人は肩を抱き合っていた そのうえ顔が近い なんだ、なにがどうなっているんだ? 完全にオレの頭の中は真っ白になっていた 「あら?」 「ん?」 オレが呆然と突っ立っていると、さすがに気付いたらしく2人が同時にオレの方を見た 気まずい沈黙が流れる そんな沈黙に耐えきれなくなったのはもちろんオレで、 昴『いや、その、すまん!教室間違えた!』 なんてベタな言い訳だろうか しかし、そんなの今のオレには関係がない とにかく早くこの場から逃げたしたかった すぐに踵をかえし教室をでるためドアに手をかけた それと同時、 「体育館は1階に下りて渡り廊下を行けばすぐやで」 昴『な、なんで…!』 「今は部活動見学の時間やでーこんなとこでウロウロしてるんは道に迷った可能性が高いやろ?見たところ、自分が文化部に入るようには見えへんからなぁ。そうなれば、行き先は体育館っていうのが妥当。そうやろ?」 な、なんだこいつ…! たった数分、それも1、2分でそこまで計算したんか!? つい、オレはポカーンと口を開けたまま立ち止まってしまった すると、「さすが小春やー!」なんていう言葉が耳に入ってきた その言葉を引き金にオレは我にかえった そして、すぐさま教室を飛び出した 飛び出したと言っても一応、お礼を言うのは忘れなかったが… 「なんや、おかしな奴やったなぁ。」 「でも、結構かっこよかったわぁーロックオンvv」 「浮気か!死なすど!」 この出会いがあんなことになるとは思ってなかった―。 04.放課後、迷走中 (あ、君バスケ部入らない?) (バスケか…まあ、楽しそうだし一番妥当だな) (よっしゃ、新入部員ゲット!) (あ、でもオレ、テニス部と掛け持ちするんで) ≪ | ≫ [Back] |