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2014 / 05 / 28 時に呑まれる


さあ夜の始まりだ。汽笛の合図でハイジャンプ。夜は明かりが叫び出す。小さな灯火大きな希望。
私はいつか死ぬんですね。死なない方がおかしいですもんね。
ゲラゲラ笑う人影とカサカサ物言う草の影。言葉無くして音が歌う。心を食い尽くそうとする優しい悪魔を呼ぶように静かに儚くゆっくりと。

「食なしね」
「ええ、職なくしたの」
「生けるかしら?」
「死なないつもりよ、女ですもの」
「あら、お金になるものは?」
「私よ」
「大変ね」
「死に損ないよ」

二つの影が完全に割れて闇夜に溶ける。私は聞いたわ、悲しい笑い声。深まる夜に耽る私。可哀想何て言ったら駄目ね。一番辛いのはあのこだもんね。音も寝ようとしはじめて私も目を閉じた。今日もまた夜が繰り返し私を起こして朝を呼ぶのね。





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