寝ぼけ眼に冷水

時の流れは早いようで遅いようで不思議なリズムで進んでいる。私の部屋の時計はどうやっても遅れたままでそれに慣れてしまって20分遅れの時計であるという意識でパッと見ただけでもちゃんと頭の中で修正されて正確な時間がわかるよ。慣れっていいようで悪いものね。

そうそう。最近、懐かしい人たちに会う機会が多い。それもあって私の筆が進むんだと思う。小中高と同じ学校だったH君や高校で出会ったW君。どちらとも数年ぶりに顔を合わせた。見た目がガラリと変わったわけではないけれどやっぱり時の流れを感じたなあ。W君とはいろいろあったからな。二年前に彼が私に告白してきたんだけどその日に彼の父親が亡くなってしまったんだ。変な偶然が重なるものだなって正直言うと少しトラウマだったな。私のせいではないけれど私が不幸を持ってきてしまったのではないかってね。しかも、今回もお食事する前の日に彼の祖母が倒れて検査入院になったって言っていたし。まるで何か大きな壁がそこにあるみたいだね。彼に男の魅力を感じることはないけれど人としてはいい印象を持っている。告白されて私は友人として仲良くしたいと言った。彼とは高校時代もほとんど話したことがなかった。クラスメイトという仲でしかなかった。突然の告白に戸惑いしかなかったな。そしてタイミングも悪かったし、人が持ってる時間の波長というかそういう類のものが根本的に噛み合わないのかな。人って難しいな。

将来の話をしたな。恋愛的な話は全くなかったけど将来どうなりたいかだったり行ってみたい場所だったり。彼は日本語教師になる為に留学していたと言っていた。その留学先の話を聞いて文化の違いだったりその国の雰囲気を知れていいものになった。それとあとは他愛もない話や高校時代の同級生が今どうなってるかの話をした。少し気まずいというか何とも言えない沈黙もあったけど話せてよかったかな。

「オーストラリアに留学してたよ」
「そうなんだ」
「あそこは人も暖かいしいいところだよ」
「いいね。オーストラリアって日本と違う習慣ってある?」
「んー、スクーミング←(聞いたけど曖昧です)かな」
「スクーミング?」
「オーストラリアでは18歳から成人で卒業した生徒たちの一部がひとつの地区に集まって暴れたり馬鹿したりするんだ。彼らに生卵投げられたりして萎えたよ」
「日本で言う成人式とかそういう感じのものなんだ」
「そうだね。その期間以外はとても過ごしやすいよ。人も優しいし、景色も綺麗だし」
「いいね。私もいつか行ってみたい」

一部の会話メモしておこう。他にも興味深い話があったけどこれが私の中に強く印象に残ったことかな。彼とまた食事をするとき、また別の話を聞けるといいな。お洒落なレストランに入ったけど私も彼も慣れてなくてあららって感じだったりして笑ったり戸惑ったりしたな。帰りには彼の車についてるオーディオにCD詰まらせちゃうし。ドタバタだったけど有意義な一日だったな。また、変な偶然が重ならないといいけど。そしたらもう私彼と関わるのやめよう。お互い苦しくなる。




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