そうやって散歩している途中でコンビニに入ったら凄く見覚えのある人がいて少し戸惑った。私、いつからか誰に対しても警戒心を抱くようになった。長い付き合いのAちゃんとYちゃん以外は道であっても自分からは話しかけることが出来ないし出来るだけ避けようとしてしまう。怖いから。なんでかよくわからないけど怖いから。
彼とは小中高校まで仲が良かった。というより、彼とは波長があった。恋することはなかったけど、彼は私のもどかしさを上手に察知出来る人だった。いつでも影でサポートしてくれた。いつも一緒にいたわけでもないしじゃれあうようなそういう"友達"ってわけでもなかったけれど、彼がいて私がいる場面で人見知りの私の手助けをしてくれた「お前、いっつも緊張してるよな。なんだよ」って笑ってた。この一言が私を助けてくれた。
とまあ前置きが長いけれどコンビニのチョコレートコーナーでチョコを見ていると彼が
「チョコ作ったの?」と聞いてきた。唐突だったけれど「ううん、作ってない」って私は答えていた。懐かしい気持ちになった。そしてどれぐらいか世間話をして彼が仕事に戻るとき「はい。バレンタイン。少ないけど」と私にお金握らせて笑った。戸惑っていたら裏の方に入っていった。無邪気なところは変わらないなと思った。
連絡先交換しようって言われたけれど私は携帯電話持ち歩いてなくて「ごめん、携帯電話持ち歩いてないんだ」って言ったら「俺もだよ」って。「機会があったら遊びたいな」って言って「そうだね」って。笑いあった。昔と変わらないなーって安心した。
いつか話せる機会があればちゃんと彼と話したいと思った。ずっとお礼も言いたいと思っていたし。昔付き合ってた人も彼との繋がりだったしね。

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