家の中での出来事のはずなのに私は夢の中でうなされながら湖を思い出していた。もしかしたら湖ではなかったかもしれない。海の広がりを湖を重ねようとしていたのかもしれない。私は眠りについた。ただ布団に抱かれて自然の音が頭の中を行ったり来たりしていた。どれぐらいか時間が経って眠りから覚めそうになった。・・・と、体が動かない。意識はしっかりあって別に痛みを感じない。でも言葉を発しようとしても言葉にならないんだ。何度も喋ろうとしたけれど「うー」とか「あー」とか上手くいかない。すると母がやってきて心配そうな顔をする。そして兄弟たちに何か話していた。私は意識がはっきりしているので変な気持ちになった。きっと母は私を可笑しい人間だと思っているかうなされていることに気づいて心配しているんだと思った。どうにかこの状況から抜け出したいと体を動かそうとしたがうまくいかなかった。目をしっかり閉じると家の中ではない場所にいるような気がした。夢の中だからなんでもありなのかもしれないけれどその中でも変な場面の切り替わりはなく自然に私はそこに溶け込むような感覚だった。
・・・うなっている途中にぱっと私は枕を見て我に返ったように目覚めると朝だった。

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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