SEXY×VOICE2

 えーと、「分かった」っていうのは「うちとか」のこと、だよね? お呼ばれ、されちゃうのかな。まさかマッサージのためだけに!? まさかまさか!

 どうしよう、変な女だって思われたかもしれない。がっついてるなぁ、みたいな。あぁ、どうしよう。

 でも、もし本当にお呼ばれされちゃったりしたら、嬉しいなぁ! 嶋本さんってどういう服が好きなんだろう。

 いやいや、浮かれちゃだめっ! ただの仮定の話だし、冗談かもしれないしっ。それだったら、ちょっとショックだけど。

「……波乗りさんが壊れとるばい」

「い、石井さん! どどっどうしました!?」

 いつからいたのか、石井さんは音もなく仮眠室の扉を開けていた。

「いや、昼休み終わるから、オッシーに仮眠室ば様子見てこいって……何かあったと?」

「いえいえ!! 何も!」

 うぅ、石井さんにまで変な奴だと思われてしまった……。落ち着かないと。

 そして押尾さんも、なんで石井さんを寄越したのかな。私と嶋本さん、変なことも悪いこともしてないのになぁ。誤解はされたかもしれないけど。

「じゃっじゃあ、もうお昼も終わるので私は戻りますね!」

「お疲れ様です」

 多少ぎこちなかったかな、と思いながらも私は仮眠室を後にした。

「……仮眠室、なんともなかばい。オッシーの命令はなんやったとや?」




 その後四隊では「昼休み、仮眠室でいかがわしい声が聞こえることがあるらしい」と噂が流れてしまいました。犯人はもちろん押尾さんなのですが。

 昼休みになると興味本位の隊員達が覗きに来ては、何の物音もしない仮眠室にガッカリして仕事に戻っていくのでした。

 も、もちろんあの日以来、仮眠室でマッサージはしてないですよ!

 この頃は事務所の椅子に座ってデスクに俯せてもらって、今日もマッサージをしています。嶋本さんにしてもらうのはいつになるのかなと、少し期待をしながら。



で仮眠室を覗きに来るの、
やめてくれませんか?

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