ある晴れた日。同僚の大口の部屋に遊びに行ってダラダラしていたときのこと、突然彼が目の前に正座をした。
つられて、自分も正座をする。
「ジョニーさん、これから言うことに全てハイでお答え下さい」
「……はい」
とりあえず返事はしたけど、また何をしようというのか。改まった割にはくだらない遊びだと思うのだけど。
「えーと、じゃあまず『ジョニーは魚より肉が好き』」
「はい。っていうか、え、何それ」
「ちょっとー、ハイ以外はルール違反ですけどー」
「いやいやいや、開始一問目で意味が分からんもん。何、魚より肉が好きって。好きだけど」
「いや、いいからまあ聞け」
「はぁ……」
「じゃあ『仕事が楽しい』」
「じゃあ!? まあ聞けって言うから待ったらじゃあ!? 続き!?」
「お前ちょっとうるさい。次ハイ以外言ったらお前の嫌がることするからな」
「……はい」
なんて勝手、っていうかこれはどういう目的の遊びなんだか。
「『小鉄さんといるより俺といる方が好き』」
「はい」
普通に。小鉄さんが嫌いなわけじゃないけど、大口の方が相性も良いし、いて気が楽だ。
「『小鉄さんより俺が好きだ』」
「はい」
さっきから小鉄さんとばっか比べてるのはなんだろう。コンプレックスかなんか?
大口は満足そうな顔だ。
「『お前は俺が好きだ』」
「はい」
「おぉ!」
友達としては面白い奴だよね、ほんと。
「『とても好きだ』」
「はいはい」
「ハイは一回!」
言わせたいだけだって、そのニヤケ顔で分かるよ。
あんた寂しん坊だから、いつだって誰かに愛されていたいんだよね?
「そんで俺は、お前がっ……す、好きだ……」
「可愛いなお前」
「あっ、ハイ以外の言葉使った!! ダメって言ったじゃん!」
「だって本心だもん」
「〜〜っ、じゃあっ、お前に嫌なことするからな」
できるはずないよ、だって何だかんだ言っても大口は優しいから。と、高をくくっていると、押し倒された。
顔真っ赤にして、まるで少年。ギラギラする目付きも体も男なのにね、なんだかそう思えた。
服のすそをわずかにめくられて、服の奥まで手が伸ばされる。
「嫌なことするって言わなかったっけ?」
「……すげー揉んじゃってるけど、嫌じゃないの?」
「はい」
「ッ、バッカ野郎っ」
そりゃあ、好きですから。あなたのことが。
あなたの好きなように触ってくれたら私も嬉しいし気持ちいいんだよ。
ある晴れた日の日常。