ディランだったかカズヤだったかアスカだったか、誰が言ったかは忘れた。或いは全員かも知れないけれど、とにかく。「エンドウ・マモルは太陽みたい」だそうだ。確かに彼は明るくて分け隔てない。優しいし、気遣いは人より出来る方だろう。感情を変に隠したりせず、ありのままの姿で真っ直ぐに立っている。決して曲がったりしない──否、曲がったとしても、以前よりもまた更に真っ直ぐに立ち上がることの出来る、そんな人間だと思う。俺から見ても好ましいことは間違い無い。けれど。

「俺が太陽ぉ?…な、なんか大袈裟じゃねーかなあ…」
「やっぱりそう思うか」

彼だって当たり前に一人の人間だ。完璧ではない。本人がそう言っている様に。だからこそ誰かが支えてやらなくては。その役割が俺のものであれば良いというのは、ただの願望だけれど。隣で俺の話を聞いていたエンドウが、天井を仰いで小さく唸る。どうかしたのかと口を開きかけたとき、エンドウが「だけど、」と言葉を続けた。

「マークにとっての太陽には、なりたいかもな。いつもマークのこと照らしてあげたいし、温めてあげたいんだ。…なんてな!」

照れ臭そうに笑うエンドウを、体が勝手に抱き締めていた。嬉しさと恥ずかしさで頬が熱い。こういう不意打ちの殺し文句には困ったものだ。いつまで経っても慣れやしない。エンドウ、お前はもうとっくに俺を照らしてくれてるし、温めてくれてる。でも太陽にはしてやらない。今以上の遠距離恋愛なんか真っ平御免だ。お前を空になんか行かせやしない。この腕の中から逃がしてなんかやらないよ。



両翼はあるが飛ぶ必要は無い
(君をこの腕に抱いていれば)











マークってこんな感じでしたっけ…?イケメンって何?取り敢えず、マク円が好きです。

title by 亡霊



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