※ゲーム設定かもしれない
円堂守と過ごした時間が長いか短いかと聞かれれば、間違いなく短いと言って良い。でも、どれだけ時間を共に過ごしても短いと感じるに違いなかった。生まれて死ぬまで一緒に居たってきっと足りない。ともかく、短くはあったけれど共に過ごす毎日の中で俺は確かに守が好きだった。守も俺を好きだと言って、笑っていた。守は取り立てて顔立ちが整っている訳じゃない。頭の造りは少々残念だ。俺が拘っていた完璧さには程遠い位置に在りながら、それでも俺は守が好きだった。いや、過去形じゃない。現在進行形で、俺は守だけが好きだ。──まあ、お互い好き合っていても別れというものは訪れる。それは避けられないことで、俺と守なら尚更。性別云々より、まず生きている時代が違うのだから。それを解っていてなお、傍にいることを選ぶくらいには、守が必要だった。途方もない約束に縋りたくなるくらいには、守を愛していた。
「ミストレ、俺、」
あの約束から何年経っただろう。もしかしたら1日も1時間も経ってないかもしれない。守が隣にいないと時間の流れは酷く緩やかで、果ても宛もなくて、恐ろしくなる。ああ、いつの間にか守が俺の世界の中心になっていたみたいだ。彼のいない世界は酸素が薄くて息がし辛い。あの瞬間に交わしていた下らない会話すら愛おしいなんて。早く、早く、あいたい。まもる。
「必ず会いに行くから。約束するから」
うん。信じてる。他の何も信じられないけど、守だけは信じてる。守は一度だって俺に嘘を吐かなかった。だからきっと来る。俺に会いに来てくれる。そうしたら抱き締めて、キスして、笑い合って、もう絶対離れない。守がいたら他に何も要らないから。
「…ミストレ、大好き」
俺も。大好きだよ。最後のキスは塩辛い味がした。違う、最後じゃない。もう会えないなんて、そんな訳がない。守が約束を破るわけ、ない。守が。もう、どこにも、いないなんて。そんなはず、ないのに。
「三十三回忌とか」
笑えないよ、守。
君のいない世界で待つことが (甘い夢を見ていたい)
解りにくい話で申し訳無いです…。約束を守るミストレちゃんのもとに円堂さんの三十三回忌のお知らせが来たけれど、円堂さんが死んだなんて信じたくないミストレちゃんのお話でした。ウワアアア後書きで解説とか…orz
title by NIL
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