俺にとっての円堂守という存在は。同級生で、チームメイトで、部活のキャプテンで。追い付きたい目標の様な、けれど放っとけない弟の様な、まあつまりは友人で仲間。その筈だった。

「あ、半田!今ちょっと大丈夫か?」
「えええ円堂…っ!だ、大丈夫だけど…どうしたんだ?」
「今日の部活のことだけど─…」

円堂は童顔だ。俺も人のことは言えないけどそれにしたって。真ん丸い目とか、饅頭みたいな頬とか、ちっとも隠そうとしない表情の一つ一つとか、言動も含めて幼い。だからどんなにハチャメチャな奴でも憎めないし、構いたくなるのかも知れない。…それだけで済んだら俺も悩まなかったのに。

「…っと、以上!悪いけど染岡にも伝えといてくれ」
「ああ、わかった。…その…用事ってそれだけ…なのか?」
「うん?そうだけど?」
「…そっか」

もっと話してたい。笑いかけてほしい。それ以上に、触れたい。その全てを知りたい。そんな風に思ってしまう。到底、友人に向けるものではない感情だ。

「?俺、行くな。風丸に辞書借りてこなきゃ、次の時間当たるんだよ〜…」
「あ…っ!」
「…半田?」

思わずその腕を掴んで引き留めてしまった。風丸という名前はよく知っている。だからこそ嫌だった。他の奴のところに行ってほしくない、なんて。子供じみた嫉妬。解っているのに。わかって、いるのに。

「…なんか変だぞ、半田。もしかして、何か悩みでもあるのか?」
「や…な、なんも!なんもないから!大丈夫だから、そんな心配すんなよ」
「心配…するに決まってるだろ。半田が元気無かったら、俺だって寂しいよ」
「円堂…」

心配されて嬉しい。ちゃんと見て貰えて嬉しい。歓喜に早まる鼓動の意味を友愛だと思うのも限界だと、わかっている。本当は、悩む余地なんか無かったんだ。答えはずっと知っていた。

「…ありがとな、円堂」
「おう!…もし悩んでるなら力になるからさ、話してくれよな!」

──お前に恋をしているのだと伝えたなら、一体どんな顔をするだろう。



友愛暴動
(メーデー、メーデー)
(君にしか救えないんです)
















実は凄く好きです半円。可愛い。この二人は自覚は早いけど友達期間が物凄く長そうなイメージ。

title by NIL



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