※南→円←涼
※幼馴染みパロ





俺たちはいつも一緒だった。初めて会ったのは3歳の時。三軒連なった家の全てに同じ年の子供がいるとなれば親同士が仲良くならない筈もなく、俺と南雲と涼野は必然的によく顔を合わせた。まあそれが続けば自然と子供同士も仲良くなり、いつの間にか俺たちは一緒にいるのが当たり前になっていた。南雲と涼野はどこまでも正反対で、いつも喧嘩をしていたっけ。本気で互いを嫌っている訳ではないと知っていたから、最終的には俺がサッカーに誘って丸く納めていたものだ。俺は3人でいるのが楽しかった。3人揃えば怖いものなんかないと思ってた。ずっと3人で一緒にいられると。2人ともそう思ってくれていると。そう、思ってた。

「守」

いつから名前で呼ばれるのが恐ろしくなったんだろう。いつから、声も、瞳も、触れる指先も、恐くて仕方なくなったんだろう。その声に、瞳に、指先に、滲むものに気付いてしまった。俺に出来たことと言えば精々2人を名字で呼ぶ様にするくらいだった。馬鹿みたいにいつも笑って、サッカーしか頭に無いのだと振る舞うくらいしか出来なかった。だって2人と一緒にいたかったから。そうしなければ壊れてしまうと思ったから。今まで築いたものの、全てが。

「サッカーやろうぜ!」

聞きたくないよ。言わないでよ。俺はこのままが良いよ。だっておかしい。俺は男だ。南雲も涼野も男だ。男が男を恋愛感情で好きになるなんて、おかしいじゃないか。普通がいい。いつも通りがいい。何も言わないで。でも、傍にいて。我儘だなんて解ってる。だけど、怖いよ。聞いてしまったら、もう今までと同じじゃいられない。3人じゃ駄目になるんだろ。そんなの嫌だ。なあ、頼むから。きっとなんだってするから。だから。



私にさようならと
言わせないで

(二人とも大好き)
(それじゃあ、駄目?)






カオスサンドでした。相変わらず…三角関係とは名ばかりの仕上がりです…。主に2人とも大好きな円堂さんが書きたかっただけです。
2011/03/07 23:33




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