※染→円←半
※サッカー部引退後の話





いつだって輝いていたから。目で追わずにはいられなかったんだ。

「…また部活に乱入してら」
「それがアイツだからな」

放課後、教室で染岡ととりとめのない話をしていると、円堂がサッカー部の練習に混じっているのに気付いた。この教室からはグラウンドがよく見える。制服のままゴールの前に立ちシュートを受ける後ろ姿。顔は見えなくても、その笑顔が容易に想像出来てしまうのは、3年間を共に過ごした証だった。

「…俺さ、円堂がいなかったらサッカー部に入ってなかったよ」
「つーか、円堂がいないんじゃサッカー部だって出来てないだろ」
「そうじゃなくて。…円堂以外の奴がサッカー部を作って、諦めないで部員の勧誘したり一人で練習したりしてても、それが円堂守じゃなかったら…俺は多分サッカーやめてた」

俺は。たった一人の部員が円堂以外の奴なら、あんなにも視線を奪われなかった。円堂だから気になったんだ。染岡は俺の言葉に苦笑して、そうだなと呟いた。染岡も、きっと俺と同じだ。

「一人だろうがそりゃ楽しそうにボール蹴っててよ…なんであんなに笑えんだって、気になったな」

そう。楽しそうに、嬉しそうに、幸せそうにボールを蹴る。そんな円堂に惹かれたから、俺たちはサッカー部の扉を叩いた。最初は気になっていただけの小さな瞬きは、けれど傍に行くと目も眩むほどの輝きで。幾度も見失いそうになったり、離れたくなったり、その光の強さに怖じ気付いたりした。それでも。

「俺は円堂の傍に居たかったんだ」

他の誰でもない、円堂と。同じピッチに立ってサッカーをしたかった。それが、俺の3年間の、すべて。



瞬くというよりは
(君の光はあまりに強すぎた)






染→円要素少なかった…!無念。三角関係の筈なのに円堂さんが絡まない…!ギリッ
2011/03/03 23:20




「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -