ずっと苦しかった。誰かに罰してほしかった。理由は明快。俺が以前繰り返した罪の数々にあった。破壊して回った学校。積み重なる瓦礫。悔しさの涙、怒りの涙、憎しみの涙。夜毎夢の中で責められ謗られても、薄れない罪悪感。実際に他人に裁かれればきっと楽になれた。償ったつもりになって、許されたつもりになれた。でも。…誰も、俺を責めてはくれなかった。罪を憎んで人を憎まずとでも言うのか。そんなもの、俺はちっとも求めていないのに。 「俺は責められたかったよ、円堂。こんな思いを抱えて生きるなんて無理だ。罰されて、償って、それで」 「…許されたい?」 「……うん」 助けて円堂。俺を救って。縋った体は俺よりも小さいのに、他の誰よりも温かい。不意に視界が潤んで、声をあげて泣きたくなった。そうさせる何かが円堂にはあった。この人は全てを許してくれる。きっと俺を掬い上げてくれる。 「円堂には俺を責めて、罰する権利がある。だから。頼むから、」 「いらないよ」 「…え」 「そんな権利いらない。俺は緑川を怒っても憎んでもないし、他の誰かの代わりにそうするつもりもない」 「だけどっ!」 それじゃあ、俺はどうすれば良い?どうしたら、いつになったら、解放される?目覚めれば胸を痛め、眠れば悪夢に追われる日々をどうしたら終わらせられるんだ。 「そんなのより、緑川がほしい」 「…おれ?」 「ああ。緑川の今の気持ちは、多分無くしちゃいけない。だけど、誰かと分け合ったり、仕舞っておくのはきっと良いと思うんだ」 だから俺に分けて。俺の胸に仕舞っておいて。そう言って俺の頭を撫でるその手に、今度こそ涙が溢れた。 「俺が大切に持っておく。だから、緑川は俺の傍にいてくれ」 「っ…うん」 俺はまた罪を犯した。この、優しすぎる人を傷付けてしまう。解っていたのに。俺が傍にいたくて、繋ぎ止めたくて。卑怯だと解っていても、ただ、欲しくて。差し伸べられた手を取って、俺の手に繋がる枷を嵌めた。嗚呼、これで。一生許されなくても、きっと生きていける。 創造の罪と破壊の罰 意味が…わからないな…。緑円が書きたかっただけですスイマセン。しかし一貫性の無い話だ。 2011/02/24 23:47 |